2024年4月24日水曜日

BSD 4-Clause License

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名称:「四条項BSDライセンス」(BSD-4-clause)


BSDライセンス・ロゴ


タイプ:

・コピーレフト…×

・ライセンス文の掲示…〇

・コピーライト(著作権)の掲示…〇

・その他…〇


原文:


  • Copyright (c) <year>, <copyright holder>
  • All rights reserved.

  • Redistribution and use in source and binary forms, with or without
  • modification, are permitted provided that the following conditions are met:
  • 1. Redistributions of source code must retain the above copyright notice,
  •    this list of conditions and the following disclaimer.
  • 2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright notice,
  •    this list of conditions and the following disclaimer in the documentation
  •    and/or other materials provided with the distribution.
  • 3. All advertising materials mentioning features or use of this software
  •    must display the following acknowledgement:
  •    This product includes software developed by the <organization>.
  • 4. Neither the name of the <organization> nor the names of its contributors
  •    may be used to endorse or promote products derived from this software
  •    without specific prior written permission.

  • THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY <COPYRIGHT HOLDER> ''AS IS'' AND ANY
  • EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES, INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, THE IMPLIED
  • WARRANTIES OF MERCHANTABILITY AND FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE ARE
  • DISCLAIMED. IN NO EVENT SHALL <COPYRIGHT HOLDER> BE LIABLE FOR ANY
  • DIRECT, INDIRECT, INCIDENTAL, SPECIAL, EXEMPLARY, OR CONSEQUENTIAL DAMAGES
  • (INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS OR SERVICES;
  • LOSS OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) HOWEVER CAUSED AND
  • ON ANY THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT LIABILITY, OR TORT
  • (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY OUT OF THE USE OF THIS
  • SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGE.


日本語訳:


  • Copyright (c) <年>, <著作権所有者>
  • All rights reserved.

  • 以下の条件が満たされる場合、修正の有無にかかわらず、
  • ソースおよびバイナリ形式での再配布および使用が許可されます:
  • 1. ソース コードを再頒布する場合は、上記の著作権表示、このライセンス文、
  •    および下に記述する免責事項を保持する必要があります。
  • 2. バイナリ形式で再頒布する場合は、上記の著作権表示、このライセンス文、
  •    および下に記述する免責事項を、頒布物とともに提供されるドキュメントおよび/または
  •    その他の資料に転載する必要があります。
  • 3. このソフトウェアの機能または使用について言及するすべての広告資料には、
  •    次の謝辞を掲示する必要があります。
  •    「この製品には、<著作権者>によって開発されたソフトウェアが含まれています。」
  • 4. <著作権者>の名前もその貢献者の名前も、書面による事前の特別な許可がない限り、
  •    このソフトウェアから派生した製品を広報または宣伝するために使用することはできません。

  • このソフトウェアは、<著作権所有者>によって「ありのまま」で提供され、
  • 明示的か黙示的かを問わず、商品性および特定目的への適合性の暗黙の保証を含む、
  • またそれらに限定されない、いかなる保証もしません。
  • いかなる場合も<著作権所有者>は契約に沿った行為か否かを問わず、
  • 損害発生の原因如何を問わず、
  • かつ責任の根拠が契約か厳格責任か(過失その他の)不法行為か否かを問わず、
  • 仮にそのような損害が発生する可能性を知らされていたとしても、本ソフトウェアの使用によって発生した
  • (代替品または代用サービスの調達、使用の喪失、データの喪失、利益の喪失、業務の中断も含む、またそれらに限定されない)
  • 直接損害、間接損害、偶発的な損害、特別損害、懲罰的損害、または結果損害について、
  • 一切責任を負わないものとします。


解説:

BSDライセンスと呼ばれるものは、コピーレフトではないオープンソース・ライセンスの中では最もメジャーなライセンスです。

これにはいくつかの種類がありますが、この「四条項BSDライセンス」が最も古く制約の厳しいもので「旧BSDライセンス」とも呼ばれています。

特徴的なのは、コピーライト(著作権)に加え、謝辞の掲示も行わなければならないことです。

ライセンス条文3において<著作権者>を含めた謝辞を掲示せよ、としているのに対し、ライセンス条文4において<著作権者>を宣伝に使うな、と一見矛盾しているように見えます。

これはあくまで、主に商用利用する際に自社の製品の販売促進、いわゆるマーケティングのために<著作権者>の名前を使うな、ということであり、それ以外の目的の資料等には謝辞を記載しなさい、という意味です。

つまり、<著作権所有者>の開発したソフトウェアを使っているので、ウチの製品はオススメですよ~!ってニュアンスがダメなわけです。

(以前の記事の内容は間違ってました、すいません!)


適用例:

「Newlib」など、またそれを含む「GCC」などの主要なオープンソース・ソフトウェアに含まれます。

大半が「三条項BSDライセンス」などの修正ライセンスに移行していますが、未だ数多くのソフトウェアに適用されています。


頒布のために執るべき行動:


ソースコード頒布の場合:

ライセンス条文1により、ソースコードの改変の有無に関わらず、冒頭に記述されるこのライセンス文をそのまま改変することなく配布しましょう。

また同条文によるコピーライト(著作権)は、上記を守ることによって自動的に条件が満たされます。


バイナリ頒布の場合:

ライセンス条文2により、このライセンス文を掲示する必要があります。

また同条文により、ライセンス文の先頭に記述されているコピーライト(著作権)を掲示する必要があります。

これらの掲示は、このライセンスのソフトウェアを含む製品の取扱説明書やWebページなど、必ず容易にユーザーの目に触れる形で記述しましょう。


その他:

ライセンス条文3により、ソースコード/バイナリと頒布の形式に問わず、指定されている謝辞を掲示する必要があります。

掲示は、このライセンスのソフトウェアを含む製品の取扱説明書やWebページなど、必ず容易にユーザーの目に触れる形で記述しましょう。

2024年4月23日火曜日

Beer-ware License

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名称:「Beer-ware License」(Beerware)


ビールのイラスト


タイプ:

・コピーレフト…×

・ライセンス文の掲示…〇

・コピーライト(著作権)の掲示…×

・その他…〇


原文:


  • "THE BEER-WARE LICENSE" (Revision 42):
  • <phk@FreeBSD.ORG> wrote this file. As long as you retain this notice you
  • can do whatever you want with this stuff. If we meet some day, and you think
  • this stuff is worth it, you can buy me a beer in return Poul-Henning Kamp


日本語訳:


  • 「ビールウェアライセンス」 (改訂 42):
  • <phk@FreeBSD.ORG>がファイルを書きました。
  • このライセンス文を保持している限り、この著作物に関して何をしても構いません。
  • いつか出会った時、この著作物に価値があると思ったら、お礼にポール・ヘニング・カンプにビールを奢ることができます。


解説:

デンマークのソフトウェア開発者、ポール・ヘニング・カンプ氏の考案したユニークなOSSライセンスです。


適用例:

「libbsd0」に含まれる「man/mdX.3bsd」、「src/hash/md5hl.c」、「src/hash/helper.c」など。


頒布のために執るべき行動:


ソースコード頒布の場合:

頒布の形式の言及なしに「このライセンス文を保持している限り…」とあるため、ソースコードの改変の有無に関わらず、冒頭に記述されるこのライセンス文をそのまま改変することなく配布しましょう。


バイナリ頒布の場合:

頒布の形式の言及なしに「このライセンス文を保持している限り…」とあるため、このライセンス文を掲示した方が良いでしょう。

掲示は、このライセンスのソフトウェアを含む製品の取扱説明書やWebページなど、必ず容易にユーザーの目に触れる形で記述しましょう。


その他:

街角でポール・ヘニング・カンプ氏に出会ったら、感謝の気持ちを込めてビールをご馳走してあげてくださいw

2024年4月21日日曜日

オープンソース・ソフトウェアのライセンス

仕事で自社の製品に組み込まれているオープンソース・ソフトウェアのライセンスについての調査を命じられました。

私も今までの経歴からオープンソースのソフトウェアを利用して製品開発を行ってきましたので、その手の書籍も熟読しており、人より少しだけライセンスについての知識は持ち合わせているつもりだったのですが…。

OSSライセンスの教科書


これが大苦戦中!

例えば、組み込みLinuxを使用した製品があったとして、その中にはカーネルを始めブートローダーやルートファイルシステムに含まれるものなど、下手をすると数百のオープンソース・ソフトウェアが含まれます。

そして、それらには各々のライセンスが設定されています。

作業としては、地道にこれらを一つ一つ調べて表にしていきます。

このリンクのようなページもありますし、面倒だが楽勝なお仕事だと…私もね、思っていた時期がありましたよ…。

作業を始めてから直ぐに困難に直面しました。

全てが「GPL」だの「BSD」だのの有名なライセンスならまだ良し。

オープンソース・ソフトウェアの数が膨大であることと同時に、そのライセンスも実に多様であることが分かりました。

初めて見るマイナーなライセンスや、古すぎて忘れ去られたライセンス、はたまた、そのソフトウェア開発者が個人で定めたオリジナルなライセンスなどなど…。

会社の法務・知財部門が知りたいのは、ザックリ主に以下の項目でしょう。


1.コピーレフトのライセンスか否か?

2.ライセンス文の掲示が必要かどうか?

3.コピーライト(著作権)の掲示が必要かどうか?

4.それ以外の条件があるかどうか?(「謝辞」の掲示など


これらに絞って、各々のライセンスを調べていけば良いのですが、こういった法律が絡む文章は極めて難解、かつ曖昧な文言で記述されており、英語力の乏しい私には重労働なのです。

Google先生に翻訳をお願いしても、何やらそれらしいが、よくわからない日本語訳が返ってきます。

ならば、ということで、マイナーなライセンスを含めて一覧でわかりやすく日本語で解説しているようなWebページがないかと検索してみましたが見つからず…。


…う~ん、そういうページがないなら自分で作るかぁ。


というわけで、今後、このブログではオープンソース・ライセンスに関する備忘録を呟くことがあるかもしれません。

いやぁ、コーディングとかではなく地味な仕事なので、調査の結果が誰かの役に立つかも!?というモチベーションが欲しいというのが本音です。


重要だけど、つまらない仕事ってありますよね。

でも大人なんだから「やりたい仕事」と「やるべき仕事」の分別を付けないと…。

Simplicity Studioを使ってみた! その3

前回からの続き です。 このテーマを最初からご覧になる場合は こちら からどうぞ。 「Simplicity Studio」でプログラミング インストールしたSilicon Labs社のマイコン用の統合開発環境「 Simplicity Studio 」で、テストプログラムを動かして...