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2024年3月17日日曜日

超ハイエンド・ノートブック! PowerBook 180c

Apple社のノートパソコン「PowerBook 180c」です。

「PowerBook 180c」 - 1


発売は1993年6月頃とのことですから、今から約30年以上も前の機種になります。

以前ご紹介した「PowerBook 2400c」 の発売が1997年ですから、それよりも更に古いモデルです。

TFTカラー液晶を初めて搭載したMacであり、CPUは33MHzのMC68030と当時最強の処理スピードを持っていたということもあり、定価は実に100万円近くしたそうです。

(33MHzのCPUで最強ってあ~た…今の感覚で言えば、昆虫?

当時でも大変な高級機種であり、手にするのはデザインや印刷業界のプロフェッショナルが中心で、一般人にとっては高嶺の花だったそうです。

さっきから「~だそうです」って伝聞形式なのは、理由があります。

当時学生だった私がこんなもん新品で買えるわけがありません。

これは、昨年まで在籍していた前職で、やはり転職していってしまった先輩より受け継いだものなのです。

この先輩からは、アセンブラを教わりました。

今にして思えば、恩人、その後の私のキャリアを決定付けたキーマンですね。

かなり昔の話、確か2005年くらいだったと思います。

先輩はこの威風堂々たる「PowerBook 180c」本体と、巨大なACアダプタを持って私のデスクまでやってきて「これいる?」って。

「PowerBook 180c」 - 2


だから、有無も言わさず「ください!」と言いました。

多分先輩は、当時社内では珍しかったMacユーザーの私を覚えていてくれたのでしょう。

(因みに、当時は仕事で「iBook」というモデルを使ってたっけ?)

しかしながら、譲り受けた時点でも相当な骨董品。

ですので、私もこの「PowerBook 180c」について何も知らなかったのです。

「PowerBook 180c」 - 3


筐体は、13.3インチの「MacBook Air」と比較して、上から見れば面積はそれなりにコンパクトと言えなくもないのですが…

「PowerBook 180c」 - 4


すごく分厚いです。

何倍の厚みだコレ?

「PowerBook 180c」 - 5


しかし、その分上質なキーボードとトラックボールを備えています。

「PowerBook 180c」 - 6


背面のインターフェイスも同時期のデスクトップのMacに劣らず充実しています。

(カバーがあったのですが、加水分解により樹脂が脆くなったので撤去…。)

「PowerBook 180c」 - 6


右の側面には、フロッピーディスクドライブも完備です。

未だにちゃんと動作します。

「PowerBook 180c」 - 7


それにしても、画面のフチが広いですね~。

液晶のサイズは8.4インチに過ぎません。

「PowerBook 180c」 - 8


さて、譲り受けた「PowerBook 180c」は、仕事でバリバリ使われていたわりには、ご覧の通りかなり綺麗な状態でした。

きっと、大切に使われていたんだろうな…。

ただし、トラックボールが動かなかったり、システムが不安定で時折ハードディスクから異音も発生していました。

しかし、電源回路や液晶は良い状態でした。

まず、トラックボールについては、デジトラの故障(水でも入ったかな?)が判明し、これを交換することで修理できました。

問題は、不安定なシステムです。

ハードディスクを交換してOSをクリーンインストールするのが手っ取り早いと判断し、分解しました。

しかし、開けてビックリ!

2.5インチサイズのハードディスクなのですが、インターフェイスが譲り受けた当時の主流だったIDEではなく、SCSIだったのです。

SCSIのハードディスク、当時でも買えないことはなかったのですが、主にサーバー用途向けであり、極めて高価でした。

さ~て困った。

ネットで安価なSCSIのハードディスクを探す日々が続きます。

すると、気になるキーワードを見つけました。

「コンパクトフラッシュを起動ディスクに!」

つまり、SCSIのハードディスクを模したような基板にコンパクトフラッシュを挿入すると、それをハードディスクとして使えますよ~という製品です。

これは「ARTMIX.COM」さんの製品で、なんと!今調べたら製品ページが残っていました!

今は、コンパクトフラッシュではなくて、SDカードで同じことを実現できるようです。

極めてニッチな製品ですが、根強い需要があるのでしょうね。

(因みに、この時の経験が後の「PowerBook 2400c」レストアに活かされました。)

これだぁ~!

…ということで、早速購入しました。

OSは、この「PowerBook 180c」で使用できる最後のバージョンということで、漢字Talkの最終バージョン「7.5.5」よりも更に新しい「System 7.6.1」をコンパクトフラッシュにクリーンインストールしました。

HDからSSDに換装したようなものです。

起動もかなり早くなり、クリーンインストールによってシステムも安定しました。

…といっても、MacOSX以前のMacOSの安定性なんてタカが知れてますけどねw

「PowerBook 180c」 - 9


こうして、レストアは完了。

しかし、すでにその時点から見ても古すぎるシステム。

アプリケーションも色々入れてはありますが、もはや実用的なものはありません。

ブラウザやメーラーもありますが、満足に表示できるページも受け取れるメッセージもなく…。

「PowerBook 180c」 - 10


これといって使用用途はなく、ここ十数年に渡って、たまにインテリアの一部として起動させておくにとどまりました。

でも起動させておくと、分かる人は必ず足を止めてくれるんですよね。

一方で、パソコンなどに興味がない方から見れば、手間と時間とお金をかけて使えない道具を修理して維持することは、バカバカしく思えるかもしれません。

自分でも、バカだなぁ~とは思います。


しかし、しかしですよ~!?


まずもって、起動させておくだけで人を魅了するようなパソコンが、この世にどれだけ存在するでしょうか?

もはや、Macはパソコンではなく芸術作品なのです!

「PowerBook 180c」 - 11


さらに、この時代の完動品のMacが次々と減っていく中で、私はそれを運良く所持できた幸運な者です。

この文化遺産の動態保存、維持に努めることは、もはや私に課せられた使命であると言っても過言ではない!

「PowerBook 180c」 - 12


…ハァ、ハァ…。

ちょっと興奮してしまいましたね、すいません。


まあ、Mac信者などという言葉があるように、この時代のMacには単なる工業製品にとどまらない魅力的な何かがあったのでしょう。

それは、フェラーリやポルシェなどのクルマの世界に近いものかもしれません。

今のパソコン(現行のMacも含めて!)で、そのような魅力を持つ製品はありません。

パソコンが憧れのマシーンだった時代から、文房具などと同様の身近な道具に変化した時代の流れの残光、それがこのPowerBookシリーズだったのかもしれませんね。

「PowerBook 180c」 - 13


以前ご紹介した「PowerBook 2400c」と共に、こちらも可能な限り維持していきたいと思います。

これを譲ってくれた先輩も、まさか自分の「PowerBook 180c」が今でも動いていて、今の時を刻んでいるとは思っていないだろうなぁ~。

「PowerBook 180c」 - 14


先輩、元気だと嬉しいなぁ…。

2023年10月13日金曜日

TI「LAUNCHXL-F280049C」C2000リアルタイム・マイコン評価ボード

またまた、新しいオモチャを買ってしまいました。

最近は遊ぶ時間もないのにぃ~。

TI社のリアルタイム・マイコン「C2000」シリーズの評価ボード「LAUNCHXL-F280049C」です。

「LAUNCHXL-F280049C」評価ボード - 1


この「C2000」シリーズって、あまりメジャーなマイコンではないですよね。

メーカーの説明はコチラからどうぞ。

この「LAUNCHXL-F280049C」評価ボードには「TMS320F280049C」という型番のマイコンが積まれているようです。

ん?「TMS320」だって!?

ベテランさんの中には、この型番には聞き覚えがある人も多いのでは?

そう、「TMS320」はTI社の名作シグナルプロセッサ、すなわちDSP(digital signal processor)ですね。

DSPに関する詳細としましては、コチラをご覧いただくとして、簡単に言ってしまえば、デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサのことです。

それに対して、普通のマイコンは汎用マイクロプロセッサと呼んだりします。

DSPとは、数値演算を非常に高速に処理することのみを得意とする風変わりなCPU…という解釈で良いと思います。

例えば、掛け算。

人間が手計算でやっても単純な足し算や引き算よりも時間がかかりますよね?

普通のマイコン、すなわち汎用マイクロプロセッサにとってもそれは同じです。

例えば「3✕6=」を普通のマイコンにやらせると、3を6回足し算するという処理になります。

これをアセンブラで書くと、何ステップにもなります。

すなわち、処理に時間がかかるということです。

一方のDSPでは「3✕6=」をたった1ステップで行う命令がハードウェア的に用意されています。

つまり、時間がかからず処理が速いということです。

すげー、だったら普通のマイコンは捨てちゃって、処理の速い全部DSPに置き換えればいいじゃん!って思いますよね?

しかし元来、DSPは数値演算以外のことは苦手です。

たとえば、条件分岐や様々なタイプのジャンプなど、普通のマイコンが普通にできることが難しかったりするのです。

これをもって「DSPは汎用性がない」と言ったりします。

したがって、普通のマイコンとDSPは、長い間、各々の得意の分野によって使い分けられてきました。


ですが…。


やはり、DSPの高速演算処理は魅力的!

なんとか普通のマイコンの汎用性とDSPの性能のイイトコドリはできないだろうか!?


という思想のもとに、2つの系譜が出来上がりました。

一つ目は、普通のマイコンにDSPの機能を加えたものです。

これには、ARMのCortex-M4やCortex-M7、Blackfinなど他多数が該当します。

二つ目は、DSPに汎用性を付加して普通のマイコンのように使えるようにしたものです。

「C2000」シリーズは、まさにこの系譜のものでしょう。

「LAUNCHXL-F280049C」評価ボード - 2


この「C2000」シリーズは、RTOSとしては、FreeRTOSとTI社独自のTI-RTOSが用意されていますので、DSPの性能を活かした色々な工作ができそうです。

デジタル電源や、ギターのエフェクターやフィルターとか…。

要は、リアルタイムに多くの数値演算が必要になるアプリケーションにウッテツケです。

残念ながら、私の使い慣れている「TOPPERS/ASP」は移植されていないので、そこから作っていくのも楽しいかもしれませんね。

なんとか時間を作ってチャレンジしてみます。

2023年2月16日木曜日

EPSON「S1C17W36 Eval Board」とデバッガ

新しいオモチャを買いました。

EPSONの16Bitマイコン「S1C17W36」の評価ボードと、そのデバッガ「S5U1C17001H3100」です。

「S1C17W36 Eval Board」とデバッガ


このマイコンは、液晶パネルを直接駆動できる最大2048ドット表示のLCDドライバーを内蔵していることが特徴で「多機能デジタル時計向け」なのだそうです。

うわ~、なんてニッチな!!

もっとも、EPSONは時計で有名なセイコーグループの一社ですから「多機能デジタル時計向け」というのは王道ですけどね!

もちろん、各種シリアルインターフェースやAD変換などの一般的なペリフェラル❨周辺機器❩も搭載しており、汎用マイコンとしても十分に使える製品となっております。

何かこう…センサーからの値を常にLCDに表示しながら他の機器へデータを飛ばすような、凝ったIoTデバイスなどが作れそうです。


失礼ながら、それほどメジャーとは言えませんが、EPSONは古くから4,8bitマイコンをリリースしていた老舗ベンダーです。

現在は32bitマイコンなども販売しておりますが、悲しいことに(?)独自コアではなくARMコアです。

しかし、4,8bitマイコンを使用していた既存の顧客が自社製品をアップグレードする際に、元々低コスト要求が強い製品に対して32bitマイコンでは大きすぎる…といった声から生まれたのが、間を取ったこの16bitの「S1C17Family」なのだそうです。


EPSONのマイコンに関しては、こちらのページに概要が記載されています。

この中で、私が好きな記述が以下の通り…。


開発秘話

エプソンの16bitマイコンは「S1C17 Family」という名称でラインアップしています。16bitマイコンなら「S1C16 Family」では?と良く尋ねられます。

その理由は、以下のどれだと思いますか。


1.単なる16bit マイコンではなく+1歩先を行く思いを込めた。

2.C16 名称は他社でも多いから 。

3.前身の製品4bit(S1C63)、32bit(S1C33)*3 という奇数型番のヒットにあやかった。

4.設計者の好きな曲中の登場人物が17歳だった。


実は...全て正解です。

こうして多くの思いを込めた「S1C17 Family」は2007年にリリースされました。


…なんか、中の人の息遣いが感じられていいですよね!

「S1C17Family」好きになっちゃった。


さて、例の如くこのマイコンにもTOPPERS/ASPを移植したいと思っています。

FreeRTOSなどの移植も面白いかもしれません。

今までこのブログで公開してきたカーネルは、仕事で使おうとしてボツになってしまったものばかりでしたが、「S1C17 Family」に関しては純粋に趣味のものとなるでしょう。

(他社の友人からのリクエストもありましたが。)

ここで公開するためにストックしているTOPPERS/ASPカーネルも残り少なくなってきましたしね…。

それに、私はARM以外のマイコンが大好きです!

…あ~ぁ言っちゃった。


暇を見つけて、コツコツとやっていきますよ~。

2023年1月5日木曜日

まさかのIBM製マック!?PowerBook 2400c

私はMacユーザーです。

しかし、会社ではWindowsパソコンを使って仕事をしています。

でも、家のパソコンは代々Macです。

プログラマーという職業柄、家に帰ってまでパソコンの画面なんか見たくはありません。

とはいえネットやメールなど、今やパソコン無しでは普段の生活にも支障をきたす時代。

そこで妥協点として、プライベートでは仕事を連想してしまう無骨なWindowsパソコンではなく、見目麗しいMacを使うことにしたのが切っ掛けだったと思います。

(まあ、今や家にパソコンが無くたってAndroidのタブレット一台でもあれば事足りるんですけどね…)

今回は、手持ちの歴代Macの中でも、異様な一台を紹介します。

PowerBook 2400c/180」です!

「PowerBook 2400」エンブレム


詳しくは、こちらのページを参照してください。

発売は、なんと1997年!?20世紀のパソコンです。

でも、私の機体はそんな古さを感じさせないほどキレイですよね?

新品同様の筐体


この時代のMacのロゴは「レインボーロゴ」と呼ばれる七色のリンゴ。

この機種には(小さいですが…)天板にも配置されています。

天板のレインボーロゴ


今のMacのノートPCとは逆に、天板を開いた状態では、このレインボーロゴは「逆さリンゴ」になってしまうのですが、ここはご愛嬌!

逆さリンゴ


インターフェースを見ていきましょう。

背面には、左からマウスなどを繋げるADB、電源、モデム、FDドライブ、外部モニタ、SCSIといった各種ポートが並びます。

右側には、赤外線通信ポートと、PCカードスロットが配置されています。

え…USB?

そんなものは知らない…。

背面のインターフェース


右側面にはサウンド入出力のジャックが配置されています。

右側面のインターフェース


この「PowerBook 2400c/180」は、「サブノートPC」というカテゴリーの製品です。

筐体そのもののサイズは非常に小さい(しかし、今の基準では分厚い…)のですが、キーボードはしっかりしており、適度なサイズとストロークを確保しています。

トラックパッドの下には。カイゼル髭のようなボタンがあります。

Macらしく1ボタンです。

及第点のキーボード


さて、所々で時代を感じさせる本機ですが、ご覧の通りパッと見、新品のような状態です。

これには訳があります。

実は、この機体は私が新品で購入したものではないのです。

正確な時期は忘れましたが、今から十数年前にジャンク屋で転がっていたものを格安で購入したものなのです。

この機体の発売が1997年ですので、その当時でも相当な旧型だったわけですが、私は以前から、この機体の数奇な生まれに不思議な魅力を感じていました。

それに関しては後述。

そのジャンク品は見た目はボロボロで、動作保証無し!

同系統のデザインのフロッピードライブも付いていましたが、こちらは蓋が破損!

(未だに動作自体は正常です。)

外付けフロッピードライブ


ダメ元で家に持ち帰り電源を入れたところ、本体は案の定うんともすんとも言わず…。

まずは電源回路を疑いました。

分解して地道にテスターを当てて故障箇所を探します。

一般的に、こういった精密機械において電源入れても何も反応がない…という症状は、軽症であることが多いです。

(因みに一番厄介なのは、通電して動いてはいるが不安定というケース。)

調べていくと、やはりそうか!

経年劣化か衝撃でチップヒューズが切れているだけだったのです。

そこで、電源回路にある全てのチップヒューズをポリスイッチに交換しました。

それだけで、あっさりと起動成功!

せっかく復活したのだから、とことん改造しよう!…ということで、IDE規格のハードディスクを取り出して、IDE/コンパクトフラッシュ変換アダプタを使用してコンパクトフラッシュをハードディスクとして使用することにしました。

今で言うところのSSDへ交換したみたいな感じですね。

その後、この「PowerBook 2400c/180」を売っていたジャンク屋で「PowerBook 2400c」の新品未開封のプラスチック筐体を見つけ、これに交換しました。

このプラスチック筐体、「PowerBook 2400c」本体のジャンクの5倍ほどの値段がしましたよ~。


今考えると…嵌められた!?

まあいいけど。


…このような経緯から、不自然なほどのキレイな見た目となっているのです。

さて、華麗なる復活を果たした「PowerBook 2400c/180」は、その後しばらく家のパソコンとして活躍をしてくれました。

しかしながら時代の流れには逆らえず、ここ数年はほとんど通電させていませんでした。

そこで、ブログのネタに丁度よいと思って本日押し入れから引っ張り出してきました。

さてさて起動するかな~?


電源プラグを差し込んだ瞬間に「ジャ~ン」というCコードがあっさりと聞こえてきました。

液晶は相当暗いものの「Mac OS 9.1」のロゴを表示!

「PowerBook 2400c/180」の起動 - 1


イケるか~!?

頑張れ!!

「PowerBook 2400c/180」の起動 - 2


よし!デスクトップまで行きました!!

やはりハードディスクじゃなくて、コンパクトフラッシュなどでシリコン化すると経年劣化には強いですね。

起動時間も倍以上早くなっていると思います。

あとは、ハードディスクと比べて消費電力も少ないし、モーターの始動時の突入もありません。

だから電源回路にも優しいでしょう。

これは良い改造だったかなぁ~と。

デスクトップの表示


アプリケーションは「Microsoft Office」などが入っていますね。

2chブラウザーなんかもある。

生活感を感じますね。

ランチャー


さて、散々「異様」であるとか「数奇」などと称してきた「PowerBook 2400c/180」ですが、その魅力とは一体何なのか?

すでに題名で言ってしまってますが、これは当時のAppleがIBMへ開発を委託して完成した製品なのです。

パソコンに詳しい人にとっては、これは異様と感じざるを得ません。

歴史を紐解けば、インテルのCPUを載せた「IBM PC」とモトローラのCPUを載せた「Macintosh」は、長い期間対立関係にありました。

また当時のノートPC市場において、IBMの「ThinkPad」シリーズとAppleの「PowerBook」シリーズは、お互い強力なブランドとして確立されており、動作するOSこそ違えど苛烈なライバル関係にありました。

一方で、この「PowerBook 2400c」が発売された頃は、パソコン市場からサーバー市場への転換を図ろうとしていたIBMが、Appleとモトローラと組んで「PowerPC」という新たなアーキテクチャのCPUを協力して開発していた時期にあたります。

実際、この「PowerBook 2400c」に搭載されているCPUもこの「PowerPC」の最初期のものです。

昨日の敵は今日の友…。

そうした混沌の時代に産み落とされた数奇なモデルが、この「PowerBook 2400c」なのです。

IBMが開発を担当したとは言っても、実際に設計を行ったのは当時の「日本IBM大和事業所」という会社です。

ここは「ThinkPad」などのモバイル系機器の設計・開発を強みとしていたIBMの日本法人でした。

故に、ここで開発された「PowerBook 2400c」が、どこか昔の「ThinkPad」と似た雰囲気を持っていることも無理からぬことです。

外見からでも分かりますが、実際に分解してみると、それまでのMacとは全く違う設計思想であることを強く感じました。

そのIBMも、いつしかパソコン市場から完全に撤退。

レノボという中華系企業が「ThinkPad」のブランドを引き継いだものの、やはりかつての輝きはなく…。

「ThinkPad」と似た雰囲気?


また「PowerBook 2400c」は、当時のAppleの最高経営責任者であったギル・アメリオにより日本に派遣された技術者チームが、東京の満員電車を体験して小型軽量マシンのきっかけを掴んだ…といった逸話がある通り、明確に日本市場にターゲットを向けた製品という点でもApple製品としては異例なモデルと言えます。

そのギル・アメリオも、この製品の発売とほぼ同時に復権した、かのスティーブ・ジョブズにAppleを追い出されることとなります。

その後のAppleの躍進は、皆さんの御存知の通り。

しかしながら、この「PowerBook 2400c」以降、明確に特定の国にターゲットを絞った製品は、Appleから出ていないような気がします。

特定の市場に合わせて製品を分けて開発を行うのは、経営的に非効率であるとスティーブ・ジョブズは考えたのでしょう。

ギリギリのタイミングでしたが「PowerBook 2400c」は、ギル・アメリオ体制だったから出せた製品とも言えますね。


このような、まるで業界の歴史の「紆余曲折」を捏ねて固めたような生い立ち。

それこそが「PowerBook 2400c」の最大の魅力だと思います。


先日の「モバイルギアII(MC/R330)」とは異なり、この「PowerBook 2400c」が活躍できる場面は、もはや無いでしょう。

プラスチック筐体は未だ新品同様ですが、液晶は保護膜(剥がせないやつ)が波打ち、バックライトの陰極管の輝度も落ちています。

再び長い眠りにつく「PowerBook 2400c」


それでも一番思い入れのあるMac、なにせゴミ同然のジャンクからここまで頑張ってキレイにしたのですから!

可能な限り動態保存を維持していきたいと思います。

2022年12月8日木曜日

伝説の名機!モバイルギアII(MC/R330)

今までの人生で、様々なモバイル機器を使い倒してきました。

その中で、最も使用頻度が高く長い期間愛用した製品は何か?

おそらく、それはこのNEC製の「モバイルギアII(MC/R330)」でしょう。

モバイルギアII(MC/R330) - 1


発売は1999年終わり頃。

パソコンは、Windows 98が爆発的な普及を見せていた時代です。

このモバイルギアに搭載されているOSは「Windows CE」という組み込み機器向けのWindowsです。

Windowsを名乗ってはいますが、この「Windows CE」上ではWindows 98のアプリケーションがそのまま動くわけではありませんでした。

パソコンが搭載しているIntel x86系統のCPUが搭載されているわけでもなく、モバイルギアには、MIPS系のCPUが搭載されているので、そもそもバイナリレベルで互換性はありません。

しかしながら、パソコンで専用のVisual C++やVisual Basicで作ったアプリケーションをモバイルギアIIに転送し、実行することは可能でした。

APIも本家Windowsのサブセットが実装されており、必要最低限のものは同じ使い勝手で使用できました。

この時代、この「Windows CE」を搭載した機器には2つの流れがありました。

いわゆる「PDA」と呼ばれる、今のスマートフォンのご先祖さまのような電子手帳。

そして「ハンドヘルドPC」と呼ばれる、ノートPCよりも更に小型のモバイル端末。

モバイルギアは、後者のカテゴリーに属します。

各社挙って「Windows CE」を搭載した「ハンドヘルドPC」を発売していたわけですが、とりわけNECのモバイルギアが優れていたのは、キーボードの質感の良さにあったと思います。

モバイル端末だからキーは小さいですが、さりとて実用に耐えられないほどは小さ過ぎず、メンブレンではなくパンタグラフ式を採用したことにより、適度なストロークの深さもあります。

何より、キーをストロークする度にパチパチと電子音が鳴るという小技付き。

これが小気味良く、使う者の心理に地味な高揚感を与えてくれます。

(音を鳴らすだけバッテリーの無駄じゃん!…と思って無音設定にすると、途端に得も言われぬ寂しさに襲われる。)

モバイルギアIIのキーボード


NECのモバイルギア・シリーズには多くの機種がラインナップされていました。

最初期には、そもそも「Windows CE」ではなく、MS-DOSのようなOSを搭載した機種。

フルカラーTFT液晶とバックライトを搭載した高級機種などなど…。

今回ご紹介する「モバイルギアII(MC/R330)」という機種は、その中でもエントリーモデルであり、モノクロ4階調STN液晶で単3乾電池で動作するモデルです。

このMC/R330こそ、エントリーモデルとはいえ、おそらく最も評価の高いモデルであったと思います。

その最たる要因は、電源が充電式の内蔵バッテリーではなく単3乾電池二本であり、それでいて25時間という連続駆動時間を実現していたことでしょう。

今の日本、単3乾電池は何処でも買えますよね。

また、充電式の内蔵バッテリーは部品点数が多くなり、バッテリーそのものを含めて経年劣化による不具合が発生しやすい部分ですが、乾電池駆動であれば電源回路がシンプルなので、こうして何年経とうが元気に動いてくれます。

単3乾電池二本とバックアップ用のボタン電池


組み込みOSである「Windows CE」の起動は1秒も掛かりません。

思い立ったら、蓋を開いてすぐに文書入力!

それに加え、キーボードの質の高さと、電源の取り回しの良さ、そしてハードウェアの屈強さから、特にライターさん、物書きの方に愛用者が非常に多く、私の他に今でも現役で使用している方も沢山いるほどです。

オークションサイトなどで、他の高級機種よりもエントリーモデルのはずのMC/R330に高値が付いているのは、このような理由からだと思います。

モバイルギアII(MC/R330) - 2


搭載されているアプリケーションは、当時のパソコン用のOfficeのサブセットや、NECオリジナルのエディッターなどの出来の良いソフトウェアがインストールされています。

インストールされているアプリケーション


LANは、有線/無線問わずインターフェースは内蔵していません。

その代わりモデムは内蔵していますので「Internet Explorer」といったブラウザや、メーラーは用意されています。

更に、今では全く見かけなくなったPCカードスロットを搭載していますので、イザとなれば有線LANカードや、WiFiカードを挿入して使用することができます。

(WiFiカードを使うと電池の消耗が激しいので、あまり使いません。)

PCカードスロット


さて、このモバイルギアII、近年では流石に出番は減っていました。

元々私の場合、プログラマーのクセに文書を書く時は紙と鉛筆派です。

プログラマーであるが故に、電子データの危うさを知っているからですかね?

なので、出先で報告書などの、どうせ後で電子文書にしなければならない要件を認(したた)める際には大いに活躍をしてくれましたが、それもいつしか報告書を書く立場から、それを承認する立場になってしまいました。

ところが、このブログを始めてからというもの、電子文章を書く機会が大幅に増えました。

そのために、数年ぶりにこの愛機の復活と相成りました。

この記事のテキストもモバイルギアIIで書いています。

とはいえ、かなりのロートル機。

そろそろ後継機が欲しいところですが、もはや新品で手に入るはずもなく…。

キングジムさんの「ポメラ DM250」なんて良さそうですね。

ポメラ DM250


でもこれ、乾電池じゃないんだ…。

そこが重要なのに。


部品取り用にオークションサイトなどで何台か購入しておきましょうかね。

とにかく今ある一台を大切に使いたいと思います。

2022年11月1日火曜日

DEVKIT-MPC5744Pという評価ボードを発掘!?

会社のデスクの下に置いてあるダンボール。

この中には、色々なマイコンの評価ボードやデバッガーが入っています。

大概は、いつかOSでも載せてやろうと思って買っておいたものです。

OSを載せるのは、そのマイコンのアーキテクチャを根本から理解しないといけませんが、その過程が面白くて、ちょっとしたゲームみたいなものです。

ましてや、マイナーなものになってくると、インターネット上で拾える情報も限られていて、ほとんど無理ゲーみたいなマイコンもありますが、そういうマイコンほど攻略に時間がかかり、長い時間楽しめるのでお得です。

貧乏性ともいう…。

とはいえ、本業をおろそかにしてはいけないので、こういった楽しみに使う時間も限られており、そのくせ気になった評価ボードは頻繁に買ってしまうものだから、このダンボールが一杯になってしまいました。

買っただけで開封もせずに積み上げているテレビゲームを「積みゲー」とか言いますが、アレと同じですね。

そんな私の「おもちゃ箱」ですが、そろそろ中身を整理するか~と思い立ち、ダンボールの中を整理していると…。

まったく買った覚えのない評価ボードを発見!


なんだコレ?


ヤバい、本当に買った記憶がない...。


この型番をネットで調べてみると、どうもNXP製のPowerPC系のマイコンの評価ボードみたいです。

私の場合、公式でサポートされていないようなアーキテクチャのマイコンにRTOSをムリクリ載せて動かすことに喜びを覚えるタイプの変態プログラマーなので、なぜこれを買ったのか不思議です。

というのも、確かPowerPCのTOPPERSって既にあったよな?

...と思って調べてみると、ああなるほど。

TOPPERS/JSPという一世代古い実装は存在しますが、TOPPERS/ASPは公式ではリリースされていないんですね。

それを知って衝動的にポチってしまったのでしょう。

両者の違いはそれほど大きくありませんが、時間を作ってこの評価ボードにもTOPPERS/ASPを移植してみましょうか。

コイツの後くらいに…。

TOPPERS/JSPを参考にすればそれほど長い期間は楽しめませんが、古くからのMacintosh使いの私としては、PowerPCというアーキテクチャには多少の興味とご縁もあることですし。

失礼な言い方ですが大成功とは言えないアーキテクチャで、もはや需要は少ないかもしれませんが、公開できればブログのネタにもなります。

また、ウィキペディアを読んでみると、なかなかにその誕生の経緯も熱い!


思わぬ所から暇潰し(今はそれほど暇じゃないけど!)のネタを発掘してしまいましたというお話。

ちょっと得した気分です。

2022年10月7日金曜日

お使いの Google アカウントをロックしました

ある日の午後、Googleアカウントが無効となった旨を通知するメールが再設定用に登録しておいたアドレスに届きました。


スパム行為がGoogle先生のポリシーに反すると書いてありますが、全く身に覚えがないっ!…という訳ではありません。

今回の私のケースでは、十分に予想できたことなのです。

ですので、「まさか!?」というより「やはり!」というのが一番の印象でした。

とはいえ、実際にこのメールを受け取り、開いていたChromeブラウザの同期アイコンに「一時停止中」と出ているのを見て事の重大さに焦りました。

以下、私がこのペナルティーを受け取ってしまった原因と思われる行為と、アカウント復活までの過程を説明したいと思います。

同じような目に遭った方の参考になれば。


何をやってしまったのか?

この日の午後まで、私は以下の状況に置かれていました。

状況が複雑なので箇条書きにします。


1.電子メールは個人用、会社用もまとめてGmailで管理していた。

2.バックアップのため、Gmailで受信したメールは全てYahooメールに転送する設定にしていた。(これがマズかった!)

3.今月から勤務先の会社の名称が変わったのでメールアドレスのドメイン名が変わった。

4.この時、会社の古いメールサーバには、添付ファイルの問題でサーバーから削除されていない多くのメールが残留していた。

5.会社のシステム部門は、これらをそのまま新しいメールサーバーにコピーしていた。

6.Gmailで会社の新メールアドレスを追加し、旧メールアドレスを削除した。


ここからがペナルティーの原因となる行為です。

箇条書きにします。


1.Gmailは会社の新しいメールサーバーから受信データの取り込みを始めた。

2.当然、添付ファイルの問題でサーバーから削除されていないメールも取り込み始めた。

3.Gmailはこのようなファイルを検出するとアラートメールをユーザーに通知する。

4.問題となるファイルが多かったため、大量のアラートメールが通知され、それらはYahooメールにも転送された。

5.Yahooメールは同じ内容のアラートメールを短時間に大量に転送されたたため、以降のメール転送に対しエラーを提示した。

6.Gmailは転送先のYahooメールから、やはり短時間に大量のエラーを受け取った。


結果、Googleは私のアカウントがスパム行為を行っていると認識し、アカウントの無効化に至ったと考えています。

もし、私がGoogleの中の人であっても、このようなエラーログを見ればスパム行為と断定するでしょう。

たとえ、この判断をAIが行っていたとしても同様です。

問題のメールを放置しておいた私が悪いのです。

このときの状況は、Gmailの画面上で確認できていたため、少しでも早くYahooメールへの転送を解除すればよかったのかもしれません。

そして、まさにこのときに、ひょっとしたらGoogleから警告を食らうかも?と思っていましたが、傍観してしまいました。

全く言い訳のしようもございません!


アカウント復活のためにとった行動

かくして、私のネット人生は大いなるGoogleの加護という「エデンの園」から放り出されてしまいました。

十数年に渡る公私を問わないメールのデータも、Googleドライブに保存しておいた書類も、ようやく始めたこのブログのデータも…。

全てアクセスできなくなりました。

世界は急激に色を失いました…が、このときの私の顔だけは、映画「アバター」のナヴィ族よろしく青ざめていたはずです。

…とにかく、状況確認!

早速、ネットで同じような状況に置かれた人がいないかどうか、また、そこからのアカウント復活の方法を探し始めました。

ここでもやはり「Google」検索を使って…。

検索結果は絶望的でした。

結局、アカウント無効から削除に至った例が圧倒的に多く、アカウント復活の例は極めて少なかったのです。

これはもう仕方がない。

新しいアカウントを作成してネット人生再出発だ…と決心するものの、できることはやっておこうと思いました。

先程の通知メール、よくみると「審議をリクエスト」というボタンがありますね。


これに一縷の望みを賭けるしかない!

これをクリックすると、いくつかの質問に答えるためのページに誘導されます。

いわば、法廷ですね。

(動転していてスクリーンショットは撮っていません。)

重要なのは、事ここに至った過程(思い至る節)を説明するためのフォームです。

ここに、上記の行為を簡潔に書き込み、そして「土下座」という行為をそのまま文章化したようなお詫びの言葉を添えました。

(今回の状況を私の英語力で説明するのは難しいので、日本語で書きました。)

それを送信すると、程なくして以下のメールが届きました。


とりあえず、2営業日待ってみましょうか。

長い2日になりそうです。

死刑判決を待つ囚人の気分です。

Google先生の最後の慈悲、無効となっているアカウントのデータをダウンロードできるとのこと。

ダウンロードの準備ができるまでしばらく時間がかかるようで(私の場合は6時間ほど)、準備が完了すると以下の通知が届きます。


有無も言わさず、ダウンロードです。


そしてアカウント復活へ

2営業日待とう!と決意したものの、Googleアカウントのないネット生活は不便の連続です。

アカウント無効の翌日、このままアカウントが削除された場合のときに備えて、新しいGoogleアカウントを作成しました。

そこにダウンロードした旧アカウントのデータをコピーして復旧を試みたのですが…。

まず、メールに関しては「mbox」形式(20GB!)でダウンロードできたため、これは完璧に復旧可能。

問題は、Blogger(このブログ)のコンテンツとGoogleドライブです。

これらに関しては、ダウンロードしたデータの中には含まれていませんでした!

ブログは、まだ始めて二ヶ月弱だし一から復旧するのも大した苦労ではありませんが、問題はGoogleドライブ。

ここにしか置いてないデータも少なくはなかったのです。

この例から分かることは、GoogleはGmailのデータに関しては相当に厚い配慮をしてくれるが、それ以外のデータに関してはそうではないということです。

日頃のクラウドデータに対するバックアップの重要性を痛感した瞬間です。

そして、その日の深夜、判決は予想よりも早く下されました。


…マジ!?

やったぜ!「勝訴ォー!」(って、テメエが悪いんだろがっ!)


ここから世界は急激にました。

早速、アカウントにアクセスして復旧を確認。

Gmail、OK

Googleドライブ、OK

フォトもOK

しかし、ブログは…ダメでした。

アクセスすると「このブログは削除されました」という表示が出ます。

これは、作り直すしかないか…それでも他のサービスが復旧できたので大満足です。

アカウント無効から再審議のリクエスト、それからの復活まで、32時間。

Google先生の迅速な対応に感謝。

何よりもアカウントの復活を許可してくれて大感謝です。

アカウントを再開すると、以下のようなメールが届きます。


いやぁ、「ありがとう」はこっちのセリフだし…。

アンケートに回答」というボタンをクリックすると「審議をリクエスト」の時と同じように入力フォームのあるページに誘導されます。

ここに「サポートチームにコメント」というフォームがありましたので、私は「祈り」という行為をそのまま文章化したような賛美の言葉を添えるのでした。


遅れてブログも復活!

さて、アカウントを再開しても取り戻せなかったもの、それはブログのコンテンツです。

二ヶ月弱とはいえ、書き込んだコンテンツのバックアップもない状態でしたので、それを復旧させるのは一苦労です。

アカウント再開から8時間後、ネット上にキャッシュでも落ちていないかなぁ~?とGoogleで検索したところ、自分のブログが表示されました。

しめた!キャッシュが残っていた!と思ってアクセスすると、何かおかしい。

これキャッシュじゃないぞ、生きてるページだぞ!と気づくのに時間はかかりませんでした。

すぐさまBloggerの管理画面にアクセス…


完全に復旧している~!!


というわけで、今回のようにアカウントを無効にされて、その後に再開できたとしても全てのサービスが復旧するのには時間がかかようです。

特にBloggerの場合は再開から8時間後。

実はこの時、アカウント無効を知った翌日に作った新しいGoogleアカウントで、このブログの復旧作業を始めていました。

無駄な作業になってしまいましたが…


終わり良ければ全て良し!


杞憂に終わって何よりでした。


まとめ

以上が今回の顛末でした。

私の不注意が原因で、アカウント無効に至り、それを寛大なるGoogle先生が再開を許可してくれたわけですが、これを繰り返さないように肝に命じなければなりません。

Googleには莫大な数のユーザーがおり、今回のような問題に対し、その一つ一つを有人で対処できるはずもありませんから、電話など人と直接的に対応することはありません。

それでも伝わってきたのは、先ずは「ユーザーの保護」という観点を第一に考えているということです。

ユーザーのアカウントが何やら悪い勢力に利用されているのではないか?

ならば、ユーザーの被害を最小限に食い止めよう!

今回の私の件に関しても、そういった意図でのアカウントの無効化だったはずです。

故に、ユーザーの無実が証明されれば、アカウントの再開を許可してくれる場合もあるということです。

今回は完全に私の不注意でしたが、それでも!

だから、同じような目に遭った方は、どうか冷静に対処して欲しいと思います。

希望はあります!

一方で、私達の生活がこれほどまでにGoogleに依存していたのか!?ということを改めて認識させられました。

Googleが経営破綻などにより全てのサービスを完全に停止するようなことは考えられませんが、狂った独裁者が核のボタンを握っているこのご時世、何が起こるかは分かりません。

(まあ、そうなったらネットも何もあったもんじゃありませんが。)

日頃から重要なデータのバックアップは万全に!


特に、BloggerのデータGoogleドライブは…ね。

2022年8月22日月曜日

植木鉢の水やりセンサー

室内でモヒート用のミントを育てています。


鉢植えで一番面倒くさいのは、毎日の水やり。

特にミントは乾燥に弱いので、うっかり水をやり忘れると一大事。

そこで、これを組み込み技術を使って自動化できないか?と考えました。

使うセンサーは、こんなの。


電極を土にぶっ刺して抵抗値で湿度を測定するタイプのものです。

Amazonさんで\1,000もせずに買えてしまいます。

しかし、このセンサーに問題が発覚。

土に挿しっぱなしにしておいて、1ヶ月もしないうちにサビサビ…


こうなると、まともに測定できなくなってしまいます。

それなら、錆びにくいステンレス棒を使って新しく作ってしまおう!

DIY精神!!

…というわけ、こんな感じに。


ステンレス棒は、模型用の12cmほどのものをAmazonさんで購入。

漏電が怖いので防水コネクターも。

ハンダ付けは下手くそです。

(プログラマーだからいいんです!)


ちゃっかりLEDも仕込んでおきました。

ただのセンサーを作るのでは面白くないので、ここで悪巧みを。

レジン液、レジン用着色料、レジン用LED、シリコンのモールド(型)をこれまたAmazonさんから購入。


紙コップで必要なレジン液と着色料をよく混ぜ合わせます。

…めちゃくちゃイヤなニオイがします。

しかもレジン液というのは、手に付くといつまでもベタベタします。


さて、着色されたレジン液をシリコンのモールドに流し込み、新たに作成したセンサーと一緒にレジン用LEDにセット。

スイッチON!


これは…チェレンコフ!?


ゴゴゴゴゴゴ…!

完全に一致!!

Advanced Test Reactor


…ヤバい見た目ですが、このままで完全硬化するのを待ちます。

この硬化時間が重要で、時間が短いと悪臭を放ち、表面がベタベタの物体が出来上がります。

(腐ってやがる…早すぎたんだ。)

触りたい気持ちを抑えて、我慢して待ちましょう!

実は、一度3時間ほどでモールドから取り出してしまい、失敗しました…。

再挑戦時は、念のため24時間以上このまま放置しました。

そして出来上がったのがコチラ。


今回は、完全に硬化しているようです。


さて、鉢植えにぶっ刺して仕込んだLEDをON!


いい感じ!


なんかRPGのラスボス前のセーブポイントみたいになりました…。

あとは、このセンサーの抵抗値をマイコンやPLCでアナログ入力として取り込んで、ポンプをリレーか何かで駆動させてやれば完成。


さて、今回はレジンという素材を初めて経験したわけですが…臭いしベタベタだし面倒くさい!

もう当分やりたくないかなぁ。

「pcDuino3」でYocto Project その9

前回からの続き です。 このテーマを最初からご覧になる場合は こちら からどうぞ。 「core-image-sato」のビルド(試行錯誤編) 前回までにSSH、Git、そしてNode.jsが使用できる実用的なディストリビューションを作成しました。 しかし、これは「core-ima...