2023年8月15日火曜日

TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その5

前回からの続きです。

このテーマを最初からご覧になる場合はこちらからどうぞ。


MPLAB Harmonyとは?

MPLAB Harmony」とは、ドライバ、プロトコル、スタック、コーディングユーティリティ、ビルドシステムなどを開発者に提供するソースコードのライブラリです。

いわゆる純正のライブラリパッケージであり、これを使用するとCPUに内蔵されているペリフェラル(周辺機器)を簡単に利用することができるというものです。

今回の「TOPPERS/ASP PIC32MX版」のカーネル内でも、割り込み、タイマーやシリアル通信ドライバなどは、この「MPLAB Harmony」のドライバを使用しています。

ところが、この「MPLAB Harmony」のソースコードのライセンスの条項が不明瞭なために再配布できません。

そのため「TOPPERS/ASP PIC32MX版」のソースコードが不完全なものとなり、そのままではビルドが通らず、通すためには手動で不足分のソースコードをコピーしていただくという手間を強いることになってしまいました。

申し訳ありません…。

では、その「MPLAB Harmony」のソースコードを何処から入手すれば良いのか?

そのためには、インストールした「MPLAB X IDE」上で雛形となるプロジェクトを作って、そこで生成された「MPLAB Harmony」のソースコードを「TOPPERS/ASP PIC32MX版」のソースツリーにコピーするという方法を採ります。

ちなみに、この「MPLAB Harmony」は、すでにインストール済の「MPLAB X IDE」には付随しておらず、別途ダウンロードとインストールが必要になります。

今回はやたらとダウンロード/インストールするものが多いですね。

こらえてつかぁさい…。


MPLAB Harmonyのインストール

「MPLAB Harmony」は、以下のページでダウンロードします。


https://www.microchip.com/en-us/tools-resources/configure/mplab-harmony/version-2

このページの下の方に行ってもらって…。

Harmonyダウンロードページ - 1


「MPLAB Harmony Integrated Software Framework v2.06 Windows」という表記の右側の「Download」という表示をクリックします。

Harmonyダウンロードページ - 2


ダウンロードが完了すると「harmony_v2_06_windows_installer.exe」というファイルが生成されますので、これをダブルクリック!

以下のようにインストーラが起動します。

ここでは「Next>」ボタンをクリックです。

Harmonyインストーラ - 1


同意せざるを得んでしょう…。

ラジオボタンを「I accept the agreement」に選択してから「Next>」ボタンをクリックしましょう。

Harmonyインストーラ - 2


しばらくは「Next>」ボタンを連打です。

Harmonyインストーラ - 3


Harmonyインストーラ - 4


Harmonyインストーラ - 5


ようやくインストール作業が開始されたようです。

これも、そこそこ時間がかかります。

終わるまでTVでも観ていてください。

Harmonyインストーラ - 6


終了すると以下のような表示となります。

Finish」ボタンをクリックしてインストーラを終了させましょう。

Harmonyインストーラ - 7


これで「MPLAB Harmony」のインストールは終了です。

しかし、これを使うにはまだまだ作業が必要です!


MPLAB HarmonyのIDEへの登録

すでにインストール済みの「MPLAB X IDE」は、先程インストールしたばかりの「MPLAB Harmony」の存在を知りません。

(大体、この時点で「MPLAB X IDE」は一回も起動させていませんしねぇ。)

ですので「MPLAB X IDE」に「MPLAB Harmony」の存在を知らせて、それを使えるようにする作業が必要です。

そこで、まずは「MPLAB X IDE」を起動します。

普通にインストールした場合、PCのデスクトップに「MPLAB X IDE」のショートカットがあるはずですので、それをダブルクリックします。

すると、以下のようなスプラッシュスクリーンが表示されます。

「MPLAB X IDE」スプラッシュスクリーン


しばらくすると、まっさらな状態のIDEが立ち上がります。

キレイでシッカリ作られていそうなIDEですね!

「MPLAB X IDE」 - 1


次に「MPLAB X IDE」上部の「Tools」メニューから「Plugins」をクリックします。

「MPLAB X IDE」 - 2


以下のようなダイアログが現れます。

このダイアログの「Download」タグをクリックしましょう。

「Plugins」ダイアログ - 1


以下のように表示が切り替わりましたか?

次は、ダイアログの左上の「Add Plugins...」ボタンをクリックです。

「Plugins」ダイアログ - 2


新たに開いたダイアログで「MPLAB Harmony」のプラグイン・ファイル(.nbm)を選択します。

つまり、このプラグインをインストールすることで「MPLAB X IDE」が「MPLAB Harmony」を認識し、協調して働くことができるようになるという寸法です。

では、そのプラグイン・ファイルが何処にあるかっていうと、以下のパスです。


C:\microchip\harmony\v2_06\utilities\mhc


「MPLAB Harmony」は、ここにインストールされていたのですね。

そこで、以下のダイアログで上記のパスまで移動し「com-microchip-mplab-modules-mhc.nbm」という長ったらしい名前のファイルを選択し、右下の「開く」ボタンをクリック!

「Add Plugin」ダイアログ


以下のような表示になったでしょうか?

それでは満を持してダイアログ左下の「Install」ボタンをクリックです!

「Plugins」ダイアログ - 3


すると、以下のように「Plugin Installer」なるものが立ち上がります。

Next>」ボタンをクリックしましょう。

「Plugin Installer」 - 1


ああ、いつものアレだ…。

同意のチェックボタン、「Install」ボタンの順にクリックです。

「Plugin Installer」 - 2


プラグインのインストールが終わると、以下の表示となります。

Finish」ボタンをクリックしてください。

「Plugin Installer」 - 3


その後「MPLAB X IDE」は自動的に終了しますが、ビックリしないでください。

しばらく待っていると再起動します。

これで無事「MPLAB Harmony」のIDEへの登録は完了です!


このマイコンは、開発を始めるまでの作業が多いですね!

この辺り、もうちょっとスマートになると良いのですが…。

次回からは「TOPPERS/ASP PIC32MX版」をビルドするのに必要なソースコードを回収する作業を始めましょう。


<続く>

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