ラベル TOPPERS/ASP(PIC24F版) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル TOPPERS/ASP(PIC24F版) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年12月30日火曜日

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その3

前回からの続きです。

このテーマを最初からご覧になる場合はこちらからどうぞ。


開発環境の構築(Cygwin編)

続きまして「Cygwin」のインストールを行います。

今回は開発環境にナウい「Visual Studio Code」を使うと言いましたが、TOPPERS/ASPを使用するにあたってはどうしてもこの「Cygwin」が必要になります。

「Cygwin」の中の「make」や「perl」といったツールを使いたいからです。

実作業は、このページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~Cygwinの導入)を参考にしてください。


「Cygwin」がインストールできたら、ここまでの作業が上手くいっているかどうか確認しておきましょう。

次のページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~サンプルプロジェクトのビルド)を参照してください。

ただし、今回使用するソースコードはこのページの冒頭の「NUCLEO-F401RE STM32 Nucleo-64」開発ボード用のTOPPERS/ASPカーネル簡易パッケージではなく、「Explorer 16/32 Deveopment Kit」用のものを使います。

ソースコードのダウンロードはこちらからどうぞ。

また、「Github」を使いたい方は以下のコマンドでソースコードのクローンを行います。


$ git clone https://github.com/RyutaroMorita/asp_pic24f_gcc.git

Cygwinターミナル - 1


ダウンロードとGithub、いずれの場合も「asp_pic24f_gcc」というディレクトリの名前を「asp_1.9.2」などと改名すると、上記のページと同じ状況になります。

また、今回は「OBJ」ディレクトリを作成する必要はありません。

これは既に用意されていますので、そのまま「OBJ」ディレクトリに移動し「make~」コマンドを実行してください。


<補足>

「make depend」の実行時に以下のようなエラーが出ることがあります。

Cygwinターミナル - 2


これは、「extract24.exe」というユーティリティの実行権限がないためプログラムが実行できないという意味です。

このユーティリティは「make depend」を実行する過程で呼ばれます。

これを解決するには、以下のコマンドでこのユーティリティに実行権限を与えます。

以下のコマンドを実行します。


$ chmod 755 ../arch/pic24f_gcc/utils/extract24.exe


じゃあ、この「extract24.exe」って何なの?…ということですが、これは私の自作のユーティリティです。

PIC24FマイコンのバイナリをTOPPERS/ASPのコンフィギュレーターに通すときに絶対に必要だったもので、これはPIC24のアーキテクチャに起因し…と、説明が長くなりそうなので、機会があれば「まとめ」の記事にでも説明したいと思います。


開発環境の構築(Visual Studio Code編)

お次は「Visual Studio Code」のインストールを行います。

すでに統合開発環境(IDE)として、前回「MPLAB X IDE」をインストールしました。

もちろん、これを使って開発を進めても問題ありません。

しかしながら、実際にコードを書いてみると判りますが「Visual Studio Code」は軽量で非常に優秀なエディターです。

強力な検索機能や、ハイライト表示、コード補完機能(構造体変数に「.」と打つと候補のリストビューが出てきたりするヤツね!)など、生産性は大きく向上すると思います。

こういったものは個人の好み(ていうか信仰)がありますので、お好みのエディターをご使用ください。

とりま、この記事ではエディターとして「Visual Studio Code」、デバッガモニタとして「MPLAB X IDE」を使用するものとして説明します。

さて、その「Visual Studio Code」のインストール方法ですが、このページ(μiTRONプログラマーがZephyrに挑戦! その3)を参考にしてください。

今回のPIC24マイコンとは全く違う記事ですが、インストーラーのダウンロードから日本語設定まで説明してます。


Visual Studio Codeの使い方

さて、インストールして日本語化まで行った「Visual Studio Code」、開いている方は、一旦閉じちゃってください。

そして、ダウンロードして一度ビルドまで通した「Explorer 16/32 Development Kit」用のTOPPERS/ASPのソースディレクトリを見てみましょう。

名前は「asp_pic24f_gcc」(改名した場合は「asp_1.9.2」ですね)というディレクトリでしたね。

記事通りであれば以下のパスです。


C:\cygwin64\home\<ユーザー名>\asp_pic24f_gcc

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 1


エクスプローラをちょっとだけ下にスクロールしてやりますと「asp_pic24f_gcc.code-workspace」というファイルがあると思います。

こいつをダブルクリックしてください。

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 2


以下のように「Visual Studio Code」が起動し「Explorer 16/32 Deveopment Kit」用のTOPPERS/ASPワークスペースが開かれます。

「Visual Studio Code」 - 1


この過程で以下のようなポップアップが出るかもしれません。

その場合は「はい、作成者を信頼します」をクリックしてください。

信頼して!

「Visual Studio Code」 - 2


次に、このソースツリーに対し、ビルドやクリーンなど色々と操作するためのターミナルを表示させましょう。

それには「Visual Studio Code」上方に配置されている「表示」メニューから「ターミナル」をクリックします。

「Visual Studio Code」 - 3


すると「Visual Studio Code」下方にターミナルが表示されました。

「Visual Studio Code」 - 4


このターミナルは、すでにインストールした「Cygwinターミナル」そのものです。

ここでは「Cygwinターミナル」と全く同じ操作を行うことができます。


例えば、ソースツリーの「asp_pic24f_gcc」(改名した場合は「asp_1.9.2」)ディレクトリの中の「OBJ」へ移動するために、以下のコマンドを入力します。

ルートは「C:\cygwin64\home\<ユーザー名>」です。


$ cd ./asp_pic24f_gcc/OBJ


サンプルプロジェクト「OBJ」は「Cygwinターミナル」で先程、確認のためにビルドしていますよね?

それを一旦キレイにクリアしましょう。

以下のコマンドを入力します。


$ make realclean


実行結果は以下の通り。

「OBJ」ディレクトリの中にあった「~.d」とか「~.o」などのビルド生成物がクリアされ、ソースコードのみが残った状態になります。

「Visual Studio Code」 - 5


これで作業中に「Visual Studio Code」と「Cygwinターミナル」の二窓をしなくて良くなります。

※「二窓」とは、Windowsで複数のアプリを同時に起動させるという意味のオジサン言葉である。昔は複数のアプリ(特にブラウザ)を立ち上げるとWindowsが頻繁にフリーズしたため、オジサンたちにとってはリスキーな行為であるというトラウマが根強く残る。


ソースコードの編集は、一般的な統合開発環境(IDE)と同様に、リストビューからファイルを選び、メインビューでソースコードを表示して、それを編集するスタイルとなります。

例えば、今回のビルド対象であるサンプルプロジェクト「OBJ」のメインファイルを編集したい場合は「Visual Studio Code」左側のエクスプローラーから「OBJ」ディレクトリ以下の「sample1.c」をダブルクリックします。

中央のメインビューにソースコードが表示されたでしょうか?

「Visual Studio Code」 - 6


編集が終わったらソースコードを保存して「Visual Studio Code」下方のターミナルで以下のコマンドでビルドを行います。


$ make depend

$ make


全く「Cygwinターミナル」と一緒ですね!


以上で、開発環境の構築は終わりました。

次回からは、このPIC24版TOPPERS/ASPのサンプルプロジェクトを実際に実機(Explorer 16/32 Development Kit)で動かしていく準備をしていきましょう。


本業が地獄みたいな状態で、3ヶ月以上もブログの更新を止めてしまいました。

年末のご挨拶をしたいので何とか年内に更新を!と…。


皆様、どうか良いお年を!

来年も皆様にとって素晴らしい年になりますように!


<続く>

2025年8月17日日曜日

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その2

前回からの続きです。


開発環境の構築(MPLAB X IDE/XC16編)

MPLAB X IDE」とは、Microchip社の純正のIDEです。

以前「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その2」でも紹介していますが、大分時間が経ってしまって、バージョンアップもして手順が変わっているかもしれませんので書き直します。

PIC24F版のTOPPERS/ASPを使って開発を行っていく上では、以下の方針を採ります。


1.コーディングとビルドは主に「Visual Studio Code」を使う。

2.デバッグ作業は主に「MPLAB X IDE」を使う。


今回はコーディングとビルドに、いつもの「Eclipse」ではなく「Visual Studio Code」を使ってみましょう。

「私はEclipseが好き!」って方は「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その4」の記事を参考にしてください。

大体、同じ手順でイケルはずです。


では、まずは以下のページで「MPLAB X IDE」のダウンロードをしましょう。


https://www.microchip.com/en-us/tools-resources/develop/mplab-x-ide

「MPLAB X IDE」ダウンロード・ページ - 1


上記のページのちょっと下の方に行ってもらって…。

すると「MPLAB X IDE vX.XX Released」という見出しがあります。

その下のテーブルから「Download」の表示をクリックします。

「MPLAB X IDE」ダウンロード・ページ - 2


ダウンロードが完了すると「MPLABX-vX.XX-windows-installer.exe」というファイルが落とせます。

これをダブルクリックしてみましょう。

以下のようにインストーラーが起動します。

Next >」ボタンをクリックして先に進みましょう。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 1


毎度おなじみのライセンスの承認です。

当然「I agree the agreement」のラジオボタンをクリックし、「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 2


この画面、特に事情がない限りは、このまま「Next >」ボタンをクリックしてください。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 3


以下の画面では、開発するターゲットのの種類を選ぶチェックボックスがあります。

ディスクスペースに余裕のある方は、全部選択しておいても良いです。

ここで全てのターゲットをインストールしておくと、この先、今回のPIC24F以外のマイコンを使う必要が生じたとき、コンパイラだけ別個インストールすれば良いので、後が楽というのはあります。

とはいえ、かなりの容量を食いますので躊躇してしまいますね。

まあ、最低でも「dsPIC DSCs and 16-bit PIC24 MCUs」だけは選んでおきましょう。

その後に「Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB X IDE」インストーラー - 4


以下の画面で「Next >」ボタンをクリックすると、インストール作業が始まります。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 5


インストール作業が始まります。

かなりの時間がかかりますので要注意です。

私のポンコツPCで30分位です!

前々回のターゲット選択画面で全部チェック入れちゃったからなぁ…。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 6


インストールが終了すると、以下の表示になります。

ここでは、一緒にインストールを行うコンパイラと、それらのセットアップが完了した際に「MPLAB X IDE」を起動するかどうか?をチェックボックスで選択します。

先ほどのターゲットの選択と同じように、ディスクスペースに余裕のある方は、全部選択しておいても良いですが、8-bitや32-bitのPICを使わない人には意味はありません。

最低でも「Install latest MPLAB XC16 compiler vX.XX(16-bit PIC24 devices)」と「Launch MPLAB X IDE vX.XX」だけはチェックを入れておきましょう。

その後に「Finish」ボタンをクリックすると、ひとまず「MPLAB X IDE」のインストールはし完了です!

「MPLAB X IDE」インストーラー - 7


続けざまに、PIC24F用のコンパイラである「XC16」のインストーラーが起動します。

早速「Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB XC16」インストーラー - 1


またまたライセンスの承認です。

ここでも「I agree the agreement」のラジオボタンをクリックし、「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB XC16」インストーラー - 2


ライセンスの種類は初期値の「Free」のままで大丈夫です。

この「XC16」コンパイラには無料版と有料版があります。

無料版である「Free」ライセンスでは最適化が「-O1」まで設定可能で、「-O2」は許可されません。

ホビーユースでは「Free」ライセンスで十分ですが、商用で使用する場合は、有料ライセンスが必要となるでしょう。

えらい高いけど!

Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB XC16」インストーラー - 3


以下は特別な事情がない限りは、そのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。

「MPLAB XC16」インストーラー - 4


以下の画面では、デフォルトではチェックされていない「Add xc16 to the PATH environmant variable」にチェックを入れてください。

ここでは「XC16」コンパイラのパスをシステムの「PATH」環境変数に追加するかどうかを選択します。

ここにチェックを入れると、手動で「PATH」環境変数を追加しなくて済むのでお得です。

つまり、この作業が要らなくなります。

チェックを入れたら「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB XC16」インストーラー - 5


ラスト!

Next >」ボタンをクリックでインストール作業開始!

「MPLAB XC16」インストーラー - 6


インストール作業が開始されます。

今回は常識的な待ち時間です。

「MPLAB XC16」インストーラー - 7


作業が終わると、以下の表示となります。

気になるのは「Your Host ID is:」という表示の右にある文字列です。

念のため、スクリーンショットでも保存しておきましょうか。

(後で必要になったことはありません…。)

Next >」ボタンをクリックでしましょう。

「MPLAB XC16」インストーラー - 8


最後の最後、以下の画面で「Finish」ボタンをクリックすれば「XC16」コンパイラのインストールも完了です!

「MPLAB XC16」インストーラー - 9


その後しばらくすると、以下のようなイケてるスプラッシュが表示され…

「MPLAB X IDE」スプラッシュ


…以下のように「MPLAB X IDE」が起動します。

以上でコンパイラを含めた「MPLAB X IDE」のインストール作業は終わりです。

お疲れ様でした~。

「MPLAB X IDE」


次回も「Visual Studio Code」など、残りの開発環境の構築手順などをご紹介します。

この「MPLAB X IDE」は、NetBeansというオープンソースのIDE(統合開発環境)がベースになっていますね。

他のマイコンベンダーは「Eclipse」ベースのIDEがメジャーですので珍しいです。

そのうち、全部今流行りの「Visual Studio Code」に統合されるのでしょうか?

使う側は、操作方法が統一されるので良いことですけどね。


<続く>

2025年7月27日日曜日

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その1

 TOPPERS/ASP - PIC24F版 概要

久々の新アーキテクチャ、今度は「PIC24F」です。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 1


すでに「PIC」については、以前「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その1」の記事で取り上げさせていただきました。

この時の「PIC32MX」はハイエンドな32bitマイコン。

今回の「PIC24F」は16bitのマイコンです。

24bitじゃないです。

Microchip社の「PIC」シリーズは、その使い易さや入手性の良さで電子工作を趣味としている方々の間で大変人気があります。

しかしながら、ネットなどで見かける電子工作の作例では「PIC16」や「PIC18」などの8bitのシリーズがメジャーです。

今回取り上げる「PIC24F」は16bitのマイコンであり「PIC」シリーズの中でも最も中途半端で地味な存在でしょう。

しかし「PIC」シリーズの中には同じ16bitマイコンである「dsPIC」というシリーズもあります。

こいつはかなり本格的なDSPを搭載しており、デジタル信号処理を多用するアプリケーションにおいてはミドルレンジの32bitマイコンをも遥かに凌駕するほどの性能を持っています。

(DSPに関しては以前この記事で極めて雑な説明をしてますが、どれだけ雑なのか興味がある方は是非。)

それでいて安価であるという魅力的な製品です。

こいつは是非とも使いたい!

実はこの「dsPIC」というのはベースが「PIC24F」であり、その上にDSPを組み合わせた製品なのです。

つまり「PIC24F」を勉強すれば、お目当ての「dsPIC」も使えるようになるかも!?

…というわけで「dsPIC」の前哨戦として、まずは「PIC24F」に「μITRON4.0」準拠のRTOS(リアルタイムOS)であるTOPPERS/ASPを移植してみました。

じゃあ、肝心の「dsPIC」用RTOSは?というと…未だ実装できていません。

この「TOPPERS/ASP PIC24F版」も、かなり昔に実装したもので記憶があやふやなのですが、多分これが動くようになった時点で使用目的のプロジェクトが中止になっちゃって、そのまま放棄しちゃったんでしょう…。

(多分自分史上、一番ポーティングが厄介だったマイコンという記憶はあります。)

お役に立てるか分かりませんが、開発環境の構築、ビルド、デバッグまでの手順をご紹介します。


必要なもの

まずは、今回のターゲットとなる「Explorer 16/32 Development Kit」です。

こちらでは¥25,000くらい…ってこんなに高かったかなぁ~!?

私が買ったときは、2万円行かなかったような…?

この評価ボードにはMicrochip 社の「PICkit3」相当のデバッガが搭載されていますので、これ以上の投資は必要ありませんが、それにしても高い。

円安怖いです。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 2


更に、この評価ボードはマイコン基板が取り外せるようになっていて、最初に付いてくるPIC24Fマイコンの他にも、PIC32MXなどの他のマイコン基板だけ買ってきて乗せ換えて使うことができます。

もちろん、例のdsPICもね!

デバッガが搭載されていることと、この使い勝手だけが救いです…。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 3


ダウンロード/GitHub

ソースコードの入手は、こちらからどうぞ。

なるべく定期的にメンテナンスするようにしています。

記事を書きながら再検証もしていますので、ちょこちょこ修正が入るかもしれません。

動きがおかしいな?という場合は最新版に更新をお願いします。

特にデバッガの使い方は改善が必要かも…。


次回から、開発環境の構築方法から書いていきますので、よろしくお願いします!

基板のこういう部分を見ると、フーって息を吹きかけたくなるのは氷河期世代の本能でしょうか…?

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 4


<続く>

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その3

前回からの続き です。 このテーマを最初からご覧になる場合は こちら からどうぞ。 開発環境の構築(Cygwin編) 続きまして「 Cygwin 」のインストールを行います。 今回は開発環境にナウい「Visual Studio Code」を使うと言いましたが、TOPPERS/AS...