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2025年8月17日日曜日

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その2

前回からの続きです。


開発環境の構築(MPLAB X IDE/XC16編)

MPLAB X IDE」とは、Microchip社の純正のIDEです。

以前「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その2」でも紹介していますが、大分時間が経ってしまって、バージョンアップもして手順が変わっているかもしれませんので書き直します。

PIC24F版のTOPPERS/ASPを使って開発を行っていく上では、以下の方針を採ります。


1.コーディングとビルドは主に「Visual Studio Code」を使う。

2.デバッグ作業は主に「MPLAB X IDE」を使う。


今回はコーディングとビルドに、いつもの「Eclipse」ではなく「Visual Studio Code」を使ってみましょう。

「私はEclipseが好き!」って方は「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その4」の記事を参考にしてください。

大体、同じ手順でイケルはずです。


では、まずは以下のページで「MPLAB X IDE」のダウンロードをしましょう。


https://www.microchip.com/en-us/tools-resources/develop/mplab-x-ide

「MPLAB X IDE」ダウンロード・ページ - 1


上記のページのちょっと下の方に行ってもらって…。

すると「MPLAB X IDE vX.XX Released」という見出しがあります。

その下のテーブルから「Download」の表示をクリックします。

「MPLAB X IDE」ダウンロード・ページ - 2


ダウンロードが完了すると「MPLABX-vX.XX-windows-installer.exe」というファイルが落とせます。

これをダブルクリックしてみましょう。

以下のようにインストーラーが起動します。

Next >」ボタンをクリックして先に進みましょう。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 1


毎度おなじみのライセンスの承認です。

当然「I agree the agreement」のラジオボタンをクリックし、「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 2


この画面、特に事情がない限りは、このまま「Next >」ボタンをクリックしてください。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 3


以下の画面では、開発するターゲットのの種類を選ぶチェックボックスがあります。

ディスクスペースに余裕のある方は、全部選択しておいても良いです。

ここで全てのターゲットをインストールしておくと、この先、今回のPIC24F以外のマイコンを使う必要が生じたとき、コンパイラだけ別個インストールすれば良いので、後が楽というのはあります。

とはいえ、かなりの容量を食いますので躊躇してしまいますね。

まあ、最低でも「dsPIC DSCs and 16-bit PIC24 MCUs」だけは選んでおきましょう。

その後に「Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB X IDE」インストーラー - 4


以下の画面で「Next >」ボタンをクリックすると、インストール作業が始まります。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 5


インストール作業が始まります。

かなりの時間がかかりますので要注意です。

私のポンコツPCで30分位です!

前々回のターゲット選択画面で全部チェック入れちゃったからなぁ…。

「MPLAB X IDE」インストーラー - 6


インストールが終了すると、以下の表示になります。

ここでは、一緒にインストールを行うコンパイラと、それらのセットアップが完了した際に「MPLAB X IDE」を起動するかどうか?をチェックボックスで選択します。

先ほどのターゲットの選択と同じように、ディスクスペースに余裕のある方は、全部選択しておいても良いですが、8-bitや32-bitのPICを使わない人には意味はありません。

最低でも「Install latest MPLAB XC16 compiler vX.XX(16-bit PIC24 devices)」と「Launch MPLAB X IDE vX.XX」だけはチェックを入れておきましょう。

その後に「Finish」ボタンをクリックすると、ひとまず「MPLAB X IDE」のインストールはし完了です!

「MPLAB X IDE」インストーラー - 7


続けざまに、PIC24F用のコンパイラである「XC16」のインストーラーが起動します。

早速「Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB XC16」インストーラー - 1


またまたライセンスの承認です。

ここでも「I agree the agreement」のラジオボタンをクリックし、「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB XC16」インストーラー - 2


ライセンスの種類は初期値の「Free」のままで大丈夫です。

この「XC16」コンパイラには無料版と有料版があります。

無料版である「Free」ライセンスでは最適化が「-O1」まで設定可能で、「-O2」は許可されません。

ホビーユースでは「Free」ライセンスで十分ですが、商用で使用する場合は、有料ライセンスが必要となるでしょう。

えらい高いけど!

Next >」ボタンをクリック!

「MPLAB XC16」インストーラー - 3


以下は特別な事情がない限りは、そのまま「Next >」ボタンをクリックしてください。

「MPLAB XC16」インストーラー - 4


以下の画面では、デフォルトではチェックされていない「Add xc16 to the PATH environmant variable」にチェックを入れてください。

ここでは「XC16」コンパイラのパスをシステムの「PATH」環境変数に追加するかどうかを選択します。

ここにチェックを入れると、手動で「PATH」環境変数を追加しなくて済むのでお得です。

つまり、この作業が要らなくなります。

チェックを入れたら「Next >」ボタンをクリックです。

「MPLAB XC16」インストーラー - 5


ラスト!

Next >」ボタンをクリックでインストール作業開始!

「MPLAB XC16」インストーラー - 6


インストール作業が開始されます。

今回は常識的な待ち時間です。

「MPLAB XC16」インストーラー - 7


作業が終わると、以下の表示となります。

気になるのは「Your Host ID is:」という表示の右にある文字列です。

念のため、スクリーンショットでも保存しておきましょうか。

(後で必要になったことはありません…。)

Next >」ボタンをクリックでしましょう。

「MPLAB XC16」インストーラー - 8


最後の最後、以下の画面で「Finish」ボタンをクリックすれば「XC16」コンパイラのインストールも完了です!

「MPLAB XC16」インストーラー - 9


その後しばらくすると、以下のようなイケてるスプラッシュが表示され…

「MPLAB X IDE」スプラッシュ


…以下のように「MPLAB X IDE」が起動します。

以上でコンパイラを含めた「MPLAB X IDE」のインストール作業は終わりです。

お疲れ様でした~。

「MPLAB X IDE」


次回も「Visual Studio Code」など、残りの開発環境の構築手順などをご紹介します。

この「MPLAB X IDE」は、NetBeansというオープンソースのIDE(統合開発環境)がベースになっていますね。

他のマイコンベンダーは「Eclipse」ベースのIDEがメジャーですので珍しいです。

そのうち、全部今流行りの「Visual Studio Code」に統合されるのでしょうか?

使う側は、操作方法が統一されるので良いことですけどね。


<続く>

2025年7月27日日曜日

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その1

 TOPPERS/ASP - PIC24F版 概要

久々の新アーキテクチャ、今度は「PIC24F」です。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 1


すでに「PIC」については、以前「TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その1」の記事で取り上げさせていただきました。

この時の「PIC32MX」はハイエンドな32bitマイコン。

今回の「PIC24F」は16bitのマイコンです。

24bitじゃないです。

Microchip社の「PIC」シリーズは、その使い易さや入手性の良さで電子工作を趣味としている方々の間で大変人気があります。

しかしながら、ネットなどで見かける電子工作の作例では「PIC16」や「PIC18」などの8bitのシリーズがメジャーです。

今回取り上げる「PIC24F」は16bitのマイコンであり「PIC」シリーズの中でも最も中途半端で地味な存在でしょう。

しかし「PIC」シリーズの中には同じ16bitマイコンである「dsPIC」というシリーズもあります。

こいつはかなり本格的なDSPを搭載しており、デジタル信号処理を多用するアプリケーションにおいてはミドルレンジの32bitマイコンをも遥かに凌駕するほどの性能を持っています。

(DSPに関しては以前この記事で極めて雑な説明をしてますが、どれだけ雑なのか興味がある方は是非。)

それでいて安価であるという魅力的な製品です。

こいつは是非とも使いたい!

実はこの「dsPIC」というのはベースが「PIC24F」であり、その上にDSPを組み合わせた製品なのです。

つまり「PIC24F」を勉強すれば、お目当ての「dsPIC」も使えるようになるかも!?

…というわけで「dsPIC」の前哨戦として、まずは「PIC24F」に「μITRON4.0」準拠のRTOS(リアルタイムOS)であるTOPPERS/ASPを移植してみました。

じゃあ、肝心の「dsPIC」用RTOSは?というと…未だ実装できていません。

この「TOPPERS/ASP PIC24F版」も、かなり昔に実装したもので記憶があやふやなのですが、多分これが動くようになった時点で使用目的のプロジェクトが中止になっちゃって、そのまま放棄しちゃったんでしょう…。

(多分自分史上、一番ポーティングが厄介だったマイコンという記憶はあります。)

お役に立てるか分かりませんが、開発環境の構築、ビルド、デバッグまでの手順をご紹介します。


必要なもの

まずは、今回のターゲットとなる「Explorer 16/32 Deveopment Kit」です。

こちらでは¥25,000くらい…ってこんなに高かったかなぁ~!?

私が買ったときは、2万円行かなかったような…?

この評価ボードにはMicrochip 社の「PICkit3」相当のデバッガが搭載されていますので、これ以上の投資は必要ありませんが、それにしても高い。

円安怖いです。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 2


更に、この評価ボードはマイコン基板が取り外せるようになっていて、最初に付いてくるPIC24Fマイコンの他にも、PIC32MXなどの他のマイコン基板だけ買ってきて乗せ換えて使うことができます。

もちろん、例のdsPICもね!

デバッガが搭載されていることと、この使い勝手だけが救いです…。

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 3


ダウンロード/GitHub

ソースコードの入手は、こちらからどうぞ。

なるべく定期的にメンテナンスするようにしています。

記事を書きながら再検証もしていますので、ちょこちょこ修正が入るかもしれません。

動きがおかしいな?という場合は最新版に更新をお願いします。

特にデバッガの使い方は改善が必要かも…。


次回から、開発環境の構築方法から書いていきますので、よろしくお願いします!

基板のこういう部分を見ると、フーって息を吹きかけたくなるのは氷河期世代の本能でしょうか…?

Explorer 16/32 Deveopment Kit - 4


<続く>

TOPPERS/ASP - PIC24F版 その2

前回からの続き です。 開発環境の構築(MPLAB X IDE/XC16編) 「 MPLAB X IDE 」とは、Microchip社の純正のIDEです。 以前「 TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その2 」でも紹介していますが、大分時間が経ってしまって、バージョンア...