2023年9月22日金曜日

TOPPERS/ASP - PIC32MX版 その7

前回からの続きです。

このテーマを最初からご覧になる場合はこちらからどうぞ。


Harmony Frameworkのコピー

既にインストール済みの「MPLAB Harmony」のディレクトリと、「TOPPERS/ASP PIC32MX版」のソースツリーのディレクトリを同時に2つエクスプローラーで開いておきましょう。

記事通りに作業すると、「MPLAB Harmony」は以下のディレクトリに保存されているはずです。


C:\microchip\harmony

「MPLAB Harmony」のディレクトリ - 1


同じく、TOPPERS/ASPのソースツリーは以下のディレクトリに保存されているはずです。

「asp_pic32mx_gcc」や「asp_pic32mx_gcc_master」を「asp_1.9.2」に改名した場合。


C:\cygwin64\home\<ユーザー名>\asp_1.9.2

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 1


さて、2つ開いたエクスプローラーでそれぞれ以下の場所を表示するようにします。

まず、「MPLAB Harmony」の方は、以下のディレクトリへ移動させます。


C:\microchip\harmony\v2_06

「MPLAB Harmony」のディレクトリ - 2

次に、TOPPERS/ASPのソースツリーの方は、以下のディレクトリへ移動させます。


C:\cygwin64\home\<ユーザー名>\asp_1.9.2\arch\pic32mx_gcc

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 2


「MPLAB Harmony」の方のディレクトリに注目!
以下のディレクトリを確認して下さい。


●framework

「MPLAB Harmony」のディレクトリ - 3


この「framework」ディレクトリの中には「MPLAB Harmony」で使用できる様々な周辺機器のデバイスドライバのソースコードやヘッダーファイルが大量に入っています。

「TOPPERS/ASP PIC32MX版」で使用するタイマーやシリアル通信のデバイスドライバもこの中に含まれています。

この「framework」ディレクトリを開いてあるもう一方のエクスプローラー、TOPPERS/ASPのソースツリーの方にコピーします。

結果、TOPPERS/ASPのソースツリーの方は、以下のようになりましたか?

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 3


これで、HarmonyのFrameworkのソースコードの回収は完了です。


雛形プロジェクトで生成したソースコードのコピー

現在、2つ開いているエクスプローラーでそれぞれ以下の場所を表示するようにします。

「MPLAB Harmony」の方は、以下のディレクトリへ移動させます。

ここは、既に作成した雛形プロジェクトのソースが格納されている場所です。


C:\microchip\harmony\v2_06\apps\Hinagata\firmware\src

「MPLAB Harmony」のディレクトリ - 4


次に、TOPPERS/ASPのソースツリーの方は、以下のディレクトリへ移動させます。


C:\cygwin64\home\<ユーザー名>\asp_1.9.2\target\1_2_5_starterkit_gcc

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 4


「MPLAB Harmony」の方(ていうか、雛形プロジェクトの方)のディレクトリに注目!

以下の3つのディレクトリとソース/ヘッダーファイルを確認して下さい。


●system_config

●app.c

●app.h

「MPLAB Harmony」のディレクトリ - 5


雛型プロジェクトは、今回使用する「PIC32MX1/2/5 Starter Kit」評価ボードで動作する基本的な設定や定義を行うソースコードを生成させるために作成しました。

これらのディレクトリやファイルは、まさにその生成されたソースコードというわけです。

この3つを開いてあるもう一方のエクスプローラー、TOPPERS/ASPのソースツリーの方にコピーします。

結果、TOPPERS/ASPのソースツリーの方は、以下のようになりましたか?

TOPPERS/ASPソースツリーのディレクトリ - 5


これで、雛形プロジェクトによって生成されたソースコードの回収は完了です。


コマンドラインでのビルド

さて、これで全ての準備は整いました。

早速ビルドしてみましょう。

ここまで長かったですね!

お疲れ様です。

Cygwinを開いて、TOPPERS/ASPソースツリーの場所まで移動しましょう。


$ cd asp_1.9.2/


次にその直下の「OBJ」ディレクトリに移動します。


$ cd OBJ/


コンフィギュレーターのパーミッションを実行可能に設定します。


$ chmod 755 ../cfg/cfg/cfg.exe


ここまで、大丈夫ですか?

Cygwinターミナル - 1


そうしたら、プロジェクトのコンフィグファイル(sample1.cfg)の情報を元に、OSに必要な定義を記したソースコード(「kernel_cfg.c」と「kernel_cfg.h」)を生成します。


$ make depend


以下のような表示にならずエラーが出力される場合は、残念ながらこれまでの作業に誤りがあります。

お手数ですが、最初からご確認を!

Cygwinターミナル - 2


ここまで上手くいったら、本番のビルド。

以下のコマンドを実行します。


$ make all


以下のように無事にビルドが通ったでしょうか?

Cygwinターミナル - 3


今回はここまで!

長々と面倒な作業でしたが、お疲れ様でした。

ここまで付いてきてくれた方がいたら、本当にありがとうございました。


コマンドラインではビルドが通るようになりましたので、次回はIDE(統合開発環境)で開発できるようにプロジェクトを作りましょう。

今回は、デバッガを使うための純正IDEである「MPLAB X IDE」とコーディングとビルドを行うための「Eclipse」、2つのプロジェクトを作らなければなりません。

またまた面倒ですが、どうかお付き合いを!


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