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2022年10月25日火曜日

TOPPERS/ASP - MSP430版 その3

前回からの続きです。

このテーマを最初からご覧になる場合はこちらからどうぞ。


開発環境の構築(IDE編)

続きまして、MSP430用のIDEのインストールを行います。

IDEは、TI社純正の「Code Composer Studio」というものを使用します。

以下のページでダウンロードします。


https://www.ti.com/tool/ja-jp/CCSTUDIO

右上の「ダウンロード」というボタンをクリックすると…


以下の場所まで移動しますので、「CCSTUDIO - Code Composer Studio 統合開発環境」の右の「ダウンロードオプション」ボタンをクリックしましょう。


以下の表示が出たら、目的のタイプのコンパイラを選択します。

このブログでは「Windows single file (offline) installer for Code Composer Studio IDE (all features, devices)」をダウンロードしたものとして説明します。


ダウンロードが完了すると「CCS12.x.x.xxxxx_win64.zip」というファイルが生成されますので、これを解凍します。

解凍されて生成された「CCS12.x.x.xxxxx_win64」ディレクトリの中に「ccs_setup_12.x.x.xxxxx.exe」というファイルがあります。

これがインストーラー本体ですので、ダブルクリック!


以下のように、インストーラーが起動しますので「Next」ボタンをクリックです。


以下の表示は、もはや儀式。

I accept the agreement」を選択して「Next」ボタンをクリックします。


この画面は、特に何もする必要がなく「Next」ボタンをクリック。


ここで以下の警告、「ペンディングされた再起動があるから、続けるならPCを再起動してけろ…」って、よく分からないが…とりあえず「OK」ボタンをクリックしましょう。


自動的に再起動食らうのでは?と思いましたが、そういうこともなく以下の表示が出ます。

続けて良いんだよな?

ならば「Next」ボタンをクリックしましょう。


この画面も、特に何もする必要がなく「Next」ボタンをクリック。


以下の表示は、このIDEで使用するマイコンのアーキテクチャを選択する画面です。

今回は、MSP430で使用しますので「MSP430 ultra-low power MCUs」のみをチェックして「Next」ボタンをクリックしましょう。


その後は、特に何もする必要がないので「Next」ボタンを連打です。



ようやくインストールが始まりました。

完了までは、かなりの時間がかかります(序盤は順調にプログレスバーが進むが、終盤にグズグズする)。


インストールが完了すると、再び以下の警告が!

何やら「このインストールを完了するには再起動してけろ…」だって。

よっぽど再起動して欲しいらしい…わかったよ。

とりあえず「OK」ボタンをクリック。


以下の表示が出れば、インストールは完了です。

Finish」ボタンをクリックしてください。


さて、インストールされた「Code Composer Studio」をすぐにでも起動させてみたいところですが、散々再起動しろ!って言われたので、ここで一旦PCを再起動しましょう。

こういうのは従っておいた方が、後々トラブルに遭う可能性が少なくなるんで。


再起動後は、デスクトップに「Code Composer Studio」ショートカットが出来ているはずなので、それをダブルクリックしてIDEを起動してみましょう。

以下のようなスプラッシュ画面が表示されます。


しばらくすると、以下の表示が。

ここでベテランさんはピンと来ているハズ。

この「Code Composer Studio」って「Eclipse」ベースじゃね!?

…正解!

前回の「Arduino Mega2560版」で使用した「Microchip Studio」は「Visual Studio」がベースでしたが、今回は「Eclipse」ベースなのです。

マイコンベンダー各社は、もはや自前でIDEを作らなくなっちゃったんですかね。

企業の側でもIDEの開発工数を削減できるし、客側もベースとなったIDEを使った経験があればそれを活かせるし、メリットが多いのでしょう。

でもどうせなら、やたらと重い「Visual Studio」や、やや陳腐化している「Eclipse」などより、「Visual Studio Code」をベースにしてくれた方が軽くてナウい気がするんですけどね。

話を戻して…。

この表示で、ワークスペースのディレクトリを選択します。

特に拘りがなければ、そのままで「Launch」ボタンをクリックしてください。


以下の画面が出れば「Code Composer Studio」は正しくインストールできています。

やっぱ「Eclipse」だね~。


さて、次回は、この「Code Composer Studio」上でTOPPERS/ASPカーネルを動かすためのプロジェクトを作っていきましょう。


<続く>

TOPPERS/ASP - MSP430版 その2

前回からの続きです。


開発環境の構築(コンパイラ編)

何はともあれ、まずはMSP430用のコンパイラのインストールを行いましょう。

以下のページでダウンロードします。


https://www.ti.com/tool/ja-jp/MSP430-GCC-OPENSOURCE

右上の「ダウンロード」というボタンをクリックすると…


以下の場所まで移動しますので、「MSP430-GCC-OPENSOURCE」の方の「ダウンロードオプション」ボタンをクリックしましょう。

もう一方の「MSP432-GCC-OPENSOURCE」の方だと、ARMのコンパイラのダウンロードになっちゃうので注意。


以下の表示が出たら、目的のアーキテクチャ用のコンパイラを選択します。

このブログでは「Mitto Systems GCC Windows installer incl. support files」をダウンロードしたものとして説明します。


ダウンロードが完了すると「msp430-gcc-full-windows-installer-x.x.x.x.exe」というファイルが生成されますので、これをダブルクリック!

程なくして、以下の表示が出ます。

実行できない!?…と焦らずに「詳細情報」というリンクをクリックします。


そうすれば、ちゃんと「実行」ボタンがあらわれますので、これをクリック。


以降、インストーラーが起動し、しばらくは「Next」ボタンを連打です。




インストールが始まりましたね?


インストールが完了したら「Finish」ボタンをクリック。

これでコンパイラがインストールされました!


今回使うMSP430用のツールチェーンの環境変数の設定を行います。

ツールチェーンは、先程のインストール作業により既に以下のディレクトリにセットアップされているはずです。


C:\ti\msp430-gcc\bin


環境変数の設定方法は、このページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~GNUツールチェーンの導入)の「環境変数の設定」の項目を御覧ください。

ただし、パスは…


C:\Program Files (x86)\GNU Tools ARM Embedded\7 2017-q4-major\bin


…となっているところを…


C:\ti\msp430-gcc\bin


に置き換えてください。

こんな感じ…。


また、このページの「パスの確認」の項目で打ち込むコマンドも、以下のように変わります。


> msp430-elf-gcc --version


続きまして「Cygwin」のインストールを行います。

このページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~Cygwinの導入)を参考にしてください。


「Cygwin」がインストールできたら、ここまでの作業が上手くいっているかどうか確認しておきましょう。

次のページ(TOPPERS/ASPのビルドからデバッグまで~サンプルプロジェクトのビルド)を参照してください。

ただし、今回使用するソースコードはこのページの冒頭の「NUCLEO-F401RE STM32 Nucleo-64」開発ボード用のTOPPERS/ASPカーネル簡易パッケージではなく、「MSP430」用のものを使います。

ソースコードのダウンロードはこちらからどうぞ。

また、「Github」を使いたい方は以下のコマンドでソースコードのクローンを行います。


$ git clone https://github.com/RyutaroMorita/asp_msp430_gcc.git


ダウンロードとGithub、いずれの場合も「asp_msp430_gcc」というディレクトリの名前を「asp_1.9.2」などと改名すると、上記のページと同じ状況になります。

また、今回は「OBJ」ディレクトリを作成する必要はありません。

これは既に用意されていますので、そのまま「OBJ」ディレクトリに移動し「make~」コマンドを実行してください。


コマンドライン環境で正しくビルドができることを確認したら、次回はTI社のIDEである「Code Composer Studio」のインストールを行っていきます。


<続く>

2022年10月12日水曜日

TOPPERS/ASP - MSP430版 その1

TOPPERS/ASP - MSP430版 概要

まだマイコンに低消費電力が今ほどうるさく求められていなかった1990年代初頭(今から30年くらい前!)に、この分野にいち早く目を付けた先進的な製品がTexas Instruments(以下「TI」)のMSP430です。


今では、MSP432というARM(Cortex-M4)コアにMSP430のペリフェラル(周辺機器)をそのまま搭載した後継機種が出ております。

MSP432の方が性能(クロック当たりの演算スコア)が高いのは当然ですが、それほど高い処理能力は必要とせず、コスト重視、且つとにかく低い消費電力が求められるシーンでは、MSP430もまだまだ現役です。

当初はROMやRAMも小さい容量の型番しかありませんでしたが、時代とともに進化し、今では十分にRTOSの搭載も検討できる容量ラインナップも増えてきました。

そこで、このMSP430に「μITRON4.0」準拠のRTOS(リアルタイムOS)であるTOPPERS/ASPを移植してみました。

かなりメジャーなマイコンなので、公式でリリースされていないのは不思議ですけどね。

MSP430は16ビットのマイコンで、独自コアのRISCです。

GCC系のコンパイラが提供されており、TIの開発環境やサンプルプログラムも充実しています。

MSP430最大の売りである低消費電力を保持しつつ、TOPPERS/ASPを実装することが今回のキモになります。

さて、上手く実装できるでしょうか?


必要なもの

TIは、自社のマイコンを搭載した評価ボードのラインナップが豊富です。

今回は、MSP430の「MSP430F5529」を搭載した「MSP-EXP430F5529LP」という評価ボードを使います。

こちらで買うと、2,500円くらいですね。


他の型番への移植も可能ですが、TOPPERS/ASPを搭載して動作させるならROM:128KB/RAM:8KB以上の容量を持つ型番を選びましょう。

また「MSP-EXP430F5529LP」を使用する場合、デバッガーは必要ありません。

この評価ボードには既にデバッガーも実装されています。

「MSP-EXP430F5529LP」を使用しない場合は「MSP-FET」というMSP430に対応したTIのデバッガを使用する必要があります。

こちらで買うと、22,000円くらいですね。


高すぎてやってられません。

ですので、それを搭載している「MSP-EXP430F5529LP」が如何にお買い得かが分かりますね。

このブログでは「MSP-EXP430F5529LP」を使用した場合の例を説明していきたいと思います。


ダウンロード/GitHub

ソースコードの入手は、こちらからどうぞ。

なるべく定期的にメンテナンスするようにしていますので、動きがおかしいな?という場合は最新版に更新をお願いします。

それでもダメな場合はコメントください。


では、次回からは、開発環境の構築やビルド方法を見ていきましょう!


<続く>

オープンソース・ソフトウェアのライセンス

仕事で自社の製品に組み込まれているオープンソース・ソフトウェアのライセンスについての調査を命じられました。 私も今までの経歴からオープンソースのソフトウェアを利用して製品開発を行ってきましたので、その手の書籍も熟読しており、人より少しだけライセンスについての知識は持ち合わせている...