2023年3月8日水曜日

MSX DEVCON 3 その1

来る3月12日に「MSX DEVCON 3」が開催されます。

前回の「MSX DEVCON 1 Tokyo」に引き続き、参加して来ようと思います!

「MSX0 Stack」クラウドファンディング


プロジェクトの中心人物、西 和彦さんの提唱する「次世代MSX」は、単純に「MSX3」という名称で一括りにされている傾向があります。

その方がセンセーショナルだからと思いますが、これは大きく分けて以下の3つのコンセプトで構成されており、その総称と言えます。


●MSX0 - IoTエッジ

●MSX3 - パーソナルコンピュータ

●MSX Turbo - スーパーコンピュータ


上から順に現在の状況をあくまで私なりに整理したいと思います。


MSX0 - IoTエッジ

これに関しては、既にこの企画に沿った製品の第一号である「MSX0 Stack」のクラウドファンディングが開始されています。

冒頭の画像の通り、概ね順調に推移しているようで何よりです。

「MSX0 Stack」は、IoTエッジである「MSX0」規格ではありますが、これ単体でもMSX/MSX2/MSX2+用のソフトウェアが動作するようです。

(「MSXturboR」は言及されてません。多分無理かと。)

「MSX0 Stack」だけではなく他の「MSX0」規格の製品のリリースも数多く計画されているようです。

非常に良くまとまった記事がありますので、ご参考に。

もし、あなたが古くからのMSXユーザーであり、手持ちのソフトウェアを使いたい、また遊びたいという目的をお持ちなら、この「MSX0」規格の製品を購入すれば十分に事は足りるでしょう。

そうではなく、IoTエッジとして活用したい場合は、センサーとの接続や、そこからデータを回収する仕組み、更にそれを上層に上げる仕組みを習得する必要があるでしょう。

おそらく、そのためのプログラミング言語としては「BASIC」が筆頭でしょうが、他の言語は?対応するセンサーの種類は?具体的なAPIの仕様は?などの情報は、直近のDEVCONも含め、徐々に明らかになっていくことでしょう。


MSX3 - パーソナルコンピュータ

「MSXturboR」に続く待望の次世代MSXです。

上記の「MSX0」の進捗の影響で計画が遅れているということですが、現在のところ、かつての「1chipMSX」と似たような形態での製品が今年Q3に発表される予定となっているようです。

もし、あなたがゲーマーならば、一番注目すべきカテゴリでしょう。

このMSX3を単なるゲームマシンと見た場合、気になるのはそのスペックと参入するサードパーティの数などといったところになるでしょうか。

かつてMSXは、ゲームマシンとして任天堂のファミリーコンピューターなどと争う一面もありました。

現代であれば、任天堂のSwitchや、SONYのPlayStation5と争うことになるのでしょうか?

ゲームマシン以外の用途として見た場合は、次世代MSXというシステムの中核として、下位の「MSX0」の開発プラットフォームとしての役割や、そこから上がってくるデータの中継点、すなわちゲートウェイとしての役割を担うことになるのでしょうか?

とにかく「MSX3」という名称があまりにもセンセーショナルですので、最も注目を集めるカテゴリであるが故に期待される要素も多く、未だその真の姿は混沌としているように思います。


MSX Turbo - スーパーコンピュータ

個人的には、最も興味があり、最も重要なカテゴリであると思います。

初代のMSXのコンセプトは何だったでしょうか?

当時、高嶺の花だったパーソナルコンピュータを大量生産のマスプロダクト品として落とし込み、個人の購入が十分に可能な値段で広くユーザーに提供するというものだったはずです。

今では、コンピュータは一家に一台どころか、一人に一台、スマートフォンなどを含めれば一台以上が当たり前の時代となりました。

その時代の道筋を最初に作ったのは、西さん、その人であると言っても過言ではないと思います。

しかし、パソコンは気軽に買える時代となりましたが、かの「富嶽」のようなスーパーコンピュータはどうか?

とてもではありませんが、よほどの富豪でもないかぎり個人の所有は困難です。

しかし、数十年前のパソコンもそうだったんです。

すなわち、西さんは、そのスーパーコンピュータを個人の購入が十分に可能な値段で広くユーザーに提供してしまおう!と考えているのです。

MSXで得た自らの成功体験を時代を経て、更に大きなスケールで再現しようというのです。

この「MSX Turbo」、形として姿を表すのは来年以降となりそうです。

これの登場により、他のカテゴリのMSXの全てがこのスーパーコンピュータに接続され、有機的に連動し稼働することにより「次世代MSX」システムは完成を見るのでしょう。

もはやスーパーコンピュータは研究者だけの所有物ではありません。

誰もが自由に所有し、使えるものとなるのです。

そう、かつてのパーソナルコンピュータがそうだったように…。

これは楽しみで仕方ありません!よね?


以上のように、まだまだ謎が多い「次世代MSX」

「DEVCON 3」でどれだけのことが明らかになるのか?

当日はしっかり学んできたいと思います。



しかし、なぜ、この時期にリモートではなく対面でのDEVCONとなったのでしょう?

コロナ禍が落ち着いたということもあるのでしょうが、想定外の計画の遅延から「次世代MSX」の関心度が下がることを西さんが懸念したのでしょうか?

…でもねぇ、西さん。

僕たちは、もう何十年も待っていたんですよ。

今更、数ヶ月や半年程度の遅れなんて、誰も気にしちゃいませんゼ。

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